<創業・スタートアップ経営基礎講座>第16回「夢を実現し、会社を長く愛される存在にするために」

― 創業者が忘れてはいけない3つの要素 ―

創業の成功は継続
目次

1. はじめに:道具の先にある「生き方」

ここまでの15回で、創業や経営のためのさまざまな「道具」を学んできました。
ビジネスプラン、会計、マーケティング、法務、価格設定――どれも大切な要素です。

けれど、それらはあくまで道具
道具をどう使い、どんな未来を描くかを決めるのは、創業者自身の「あり方」です。

事業という旅を長く続けていくためには、知識やスキルだけでは足りません。
あなたの中にある「羅針盤」と「ガソリン」――つまり、

1. なぜを貫く力
2. 社会とのつながりと貢献
3. 自分自身の経営

この3つの要素を整えておくことが、長く愛される会社をつくる第一歩になります。


2. 要素① 「なぜ」を貫く力 ― 理念は経営そのもの

創業当初の想いは、日々の忙しさの中で薄れていくものです。
しかし、どんなに立派な戦略や数字を持っていても、「なぜこの事業をやるのか」があいまいになった瞬間、経営の舵はぶれ始めます。

理念は、美しい言葉ではなく判断基準です。
価格を下げるかどうか、採用で迷うか、取引先を選ぶとき――その一つひとつに理念は顔を出します。

第2回で扱った「ビジョン・経営理念」は、額縁に飾るための言葉ではなく、5回の「経営戦略」や6回の「マーケティング」といった実務を貫く中心軸です。

理念が一貫している会社ほど、社員も顧客も迷いません。
それが信頼という最大の無形資産を積み上げ、会社を長く支える揺るぎない力になります。


3. 要素② 社会との「つながり」と「貢献」 ― 信頼は日々の誠実さから

会社は社会の中で生きています。
だからこそ、「社会とどうつながるか」「どんな形で貢献できるか」を意識することが、経営を続ける上で欠かせません。

広報やPRは、単なる宣伝活動ではなく、社会との対話です。
13回の「企業の社会的責任」でも触れたように、社会と誠実に関わる企業ほど、応援され、信頼を集めます。

では、日々の経営の中で、具体的にどんな行動が信頼につながるのでしょうか。
規模に関係なく実践できる例を挙げます。

  • 地元イベントへの協賛
  • お客様の声への丁寧な対応
  • 若手や地域人材の育成への協力

こうした小さな積み重ねが、やがて 「信用」という無形資産 を育てていきます。

また、15回「知的資産経営」で触れたように、誠実な行動の積み重ねこそが会社の“強み”を生み出します。
ブランドとは、派手な広告ではなく、日々の誠実な対応が積み重なった結果なのです。

社会から応援される会社には共通点があります。
それは、「社会に必要とされたい」と願う前に、「社会に誠実でありたい」と思っていること。


4. 要素③ 創業者自身の「経営」 ― 自分の時間と体をマネジメントする

どれほど理念があり、社会から応援されても、創業者自身が倒れてしまえば、事業は続きません。
だからこそ、自分自身を経営することもまた、経営者の大切な仕事です。

自己管理とは、我慢や根性ではなく、資源配分の戦略です。
限られた「時間」「体力」「信頼」を、どこにどう使うかを考えること。

  • 睡眠や休息を確保し、心身の調子を保つこと。
  • 雑務や不安な専門分野は、行政書士や中小企業診断士など信頼できる専門家に積極的に任せること。それは決して丸投げではなく、経営者自身の時間価値を最大化するための戦略的な判断です。
  • 自分にしかできない判断・構想・対話に時間を使うこと。

健康も時間も、「使うもの」であると同時に「守る資産」です。
長く走るためには、無理をせず、助けを借りる勇気も必要です。


5. まとめ ― 続けること、それは価値を生み出し続けること

創業の成功とは、会社を立ち上げることではなく、価値を生み出し続けることです。
「なぜ」を貫き、「社会とつながり」、「自分を整える」。
この3つの土台がそろったとき、会社は社会に根を張り、文化として愛されていきます。

そしていつか、あなた自身が、誰かの「やりたい!」を支える側になる日が来るかもしれません。
その日まで、焦らず、誠実に、あなたらしく歩みを進めてください。
私たちは、その道のりで迷いや不安が生じたときの伴走者として、いつでもあなたを応援しています。


6. クロージング・メッセージ

「やりたい!をカタチにする」という言葉は、創業の始まりだけでなく、
その“やりたい!”を持ち続ける生き方そのものです。
つむぎ行政書士事務所は、その思いを長く支える伴走者でありたいと考えています。
あなたの挑戦が、誰かの未来を照らすことを願って。

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テーマ
第1回 ビジネスプランを準備する創業の第一歩として、事業のアイデアを整理し、具体的な形にまとめる方法を解説します。
第2回 ビジョン・経営理念を作る自分の事業が「なぜ存在するのか」を明確にし、共感を生む経営理念を言葉にします。
第3回 創業時に必要な手続き開業届・各種許認可・税務署や役所への届出など、創業時の実務を整理します。
第4回 法務・契約の基礎契約トラブルを防ぐための基本知識と、押さえておくべき契約書のポイントを紹介します。
第5回 経営戦略・計画を作るSWOT分析などを使いながら、事業の方向性を定めるための戦略づくりを学びます。
第6回 マーケティング・市場戦略を考える顧客ニーズをどう捉え、競合とどう差別化するか。マーケティングの基本を解説します。
第7回 広報・PRSNS・ホームページ・プレスリリースなど、発信を通じてファンを増やす方法を紹介します。
第8回 起業関連のさまざまな支援策補助金・助成金・融資制度など、創業時に使える支援策をわかりやすくまとめます。
第9回 はじめての会計会計の基本構造を理解し、経営判断に役立つ数字の見方を身につけます。
第10回 価格転嫁の基礎適正な利益を守るための価格設定と、取引先との交渉の考え方を解説します。
第11回 営業・販路開拓「売り込み」ではなく「課題解決」としての営業を実践するためのステップを紹介します。
第12回 人を雇うパート・アルバイト採用から社会保険まで、人を雇うときの流れと注意点を整理します。
第13回 企業の社会的責任を考えるCSRの基本と、中小企業でもできる信頼を育てる取り組みを解説します。
第14回 創業時に使えるデジタルツール無料または低コストで使える便利ツールを紹介し、業務効率化のヒントを提供します。
第15回 知的資産経営人・技術・信頼といった「目に見えない強み」を見つめ直し、経営に活かす考え方を紹介します。
第16回 夢を実現し、会社を長く愛される存在にするために全講座のまとめとして、持続的に事業を続けるための視点と次のステップを提示します。
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