「優良産廃処理業者認定」取得で許可期間が7年に!茨城県での申請ポイントを行政書士が解説
1. はじめに ― 優良認定制度とは
産業廃棄物収集運搬業の許可をお持ちの事業者様へ。
日々の現場で、安全管理・法令遵守を徹底しながら、取引先との信頼を積み上げてこられたことと思います。
その努力は、簡単に数字では表せない「誠実な実績」です。
「もっと長く安心して事業を続けたい」
「きちんと取り組んでいることを、外からも評価してほしい」
そんな願いをかなえる制度があります。
それが、「優良産廃処理業者認定制度(以下、優良認定)」です。
この制度を活用すれば、許可期間を5年から7年に延ばせるだけでなく、企業としての信頼度を高め、営業・融資・採用など、さまざまな場面でプラスの評価を受けられます。
この記事では、茨城県で優良認定を取得するための基準・手続き・準備ポイントを、実務経験に基づいて整理します。
2. 優良認定を受けるメリット
2-1. 許可期間の延長
通常、許可の有効期間は5年ですが、優良認定を受けると7年に延びます。
更新準備や書類作成、行政とのやり取りは、毎回相応の手間と時間を要します。
1回分の更新を減らせるということは、それだけ経営のリソースを「本業」に回せるということです。
「更新が近づくたびに気が重くなる…」という方にとっては、確実に実務的な恩恵がある制度です。
2-2. 取引先からの信頼向上
“優良産廃処理業者”という肩書は、まさに努力を形にした証明書です。
排出事業者の中には、委託先を選ぶ際に「優良認定の有無」をチェック項目にしている企業もあります。
また、許可証や会社案内、見積書などに「優良産廃処理業者認定」の表記を入れることで、取引先に安心感を与えられます。
実際に、ある茨城県内の運搬業者様は、優良認定を取得した後に新たな排出事業者との契約が成立し、受注拡大につながった事例もあります。
制度は「信頼を可視化し、チャンスを広げる」ためのツールでもあります。
2-3. 融資面での優遇
優良認定業者であることは、金融機関・公的機関からの評価にも好影響を与えます。日本政策金融公庫などの公的金融機関では、優良認定を融資判断のプラス要素として考慮することがあります。
また、補助金申請や公的支援の場面でも「優良認定業者」であることは信用指標として働きます。
“誠実に経営してきた企業ほど報われる制度”と言ってよいでしょう。
3. 優良認定の5つの基準
では、実際に優良認定を受けるために求められる基準を順に見ていきましょう。すべてを満たす必要があります。
3-1. 遵法性
「過去の許可期間において改善命令などの特定不利益処分を受けていない」ことが条件です。つまり、直近の許可更新期間中に“行政から処分を受けた履歴がない”という実績が求められます。
この基準により、継続的に適正処理を行ってきた企業であるという信頼性を証明できます。
3-2. 事業の透明性
情報公開の仕組みが整っていることも重要です。具体的には、法人・個人の基礎情報、許可の内容、運搬車両・施設能力、処理実績などをインターネットで継続して(申請日前6ヶ月以上)公表・更新していることが求められます。
ここが“実務でつまずきやすい”ポイントのひとつです。例えば「公開ページが1回だけ」「更新記録が残っていない」「処理実績の数字が不十分」など、形式的な対策で終わってしまうケースがあります。
勘所としては、“公開開始日を明確にする”、かつ“少なくとも申請日の6か月以上前から公開をしている”というタイミング管理が肝になります。
3-3. 環境配慮の取組
地球温暖化や資源循環に対する社会的関心が高い中、優良認定にはISO14001やエコアクション21など環境マネジメントの認証を取得していることが1つの要件として挙げられています。
すでに取得済みであれば申請準備が速やかですが、未取得の場合は取得まで時間を要するため、早めに社内スケジュールを立てておくことをおすすめします。
3-4. 電子マニフェスト
電子マニフェスト(例えばJWNETなど)に加入し、「電子マニフェストを利用可能な状態にある」ことも条件です。紙マニフェストだけで運用している場合には、この基準を満たすために「電子マニフェスト加入+社内運用確立」という準備が必要です。
実務では、「加入だけして動いていない」「運搬車両・品目ごとの登録が不十分」といったケースが審査で指摘されることがありますので、加入後に運用状況を可視化しておくと安心です。
3-5. 財務体質の健全性
最後に、財務基盤が健全であることが審査対象です。茨城県では、次のような数値基準が提示されています:
- 直近3事業年度すべてで「自己資本比率が0%以上(債務超過になっていない)」。
- さらに、「そのうちいずれかの年度」で「自己資本比率が10%以上」または「前事業年度の営業利益がプラス」であること。
- また、3年度の「経常利益の平均」がプラスであること。
- そして、税金や社会保険料、労働保険料の滞納がないこと。
このように数字で「健全な体質」が裏付けられていないと、審査通過は難しくなります。決算書をそろえるだけでなく、過去3期のトレンドをグラフ化して整理しておくと、社内でも説明材料になります。
4. 茨城県での申請手続きの流れ
4-1. 計画的な準備が重要
優良認定の申請を「思い立ったその日」にしても、実務で準備すべき事柄が多いため、少なくとも申請前6ヶ月以上前からの準備開始が現実的です。特に、情報公開の継続や環境認証、電子マニフェスト運用の立上げなどは時間がかかるからです。
申請の際は「更新許可申請」と併せて行うのが基本で、許可更新時期にあわせて準備を進めるのが動線として自然です。
4-2. 茨城県独自の事前審査制度
茨城県では、優良認定申請者に対して「事業の透明性に関する基準」について、事前審査を実施しています。所要期間の目安は概ね2週間です。事前審査を経ることで、本申請時の審査がスムーズになります。
また、公益財団法人 産業廃棄物処理振興財団が発行する“適合証明書”を取得しておくことで、県の審査が簡略化されるケースもあります。
このため、申請直前の駆け込み相談では間に合わないことがあるため、事前相談・予約を早めに行うことが推奨されます。
4-3. 申請窓口
通常の産業廃棄物処理業許可申請とは、優良認定申請‐更新窓口が異なる可能性があり、必ず事前に県の担当課へ電話相談・予約を行ってください。窓口を間違えると、審査が停止するなどの遅れが生じる可能性があります。
4-4. 適合証明書の活用
前述の通り、産廃処理振興財団が「優良基準に照らして適合している」と認定する“適合証明書”を取得しておくと、県の優良認定審査が短縮される可能性があります。実務的には、これを「あるべき書類のひとつ」として早期取得を検討しておくと安心です。
5. 申請時の注意点
5-1. 情報公開の落とし穴
情報公開要件は「申請日前6か月間、継続してインターネットで公表・更新」していることが必要です。この点でよくある落とし穴としては:
- 公表開始が申請日の直前で、6か月未満になっている。
- 公開内容に「車両数」「処理実績」など必須項目が欠けている。
- 更新頻度が明示されておらず、更新が放置気味になっている。
こうした状況があると、審査で「公開が継続されていない」と見なされ、却下・補正の対象となります。公開ページの開始日・更新日をスクリーンショット等で証拠保存しておくことをおすすめします。
5-2. 財務要件の確認
財務基準が数値的に厳格なため、過去3期の決算書・税務申告書・社会保険料納付状況などを社内で整理しておく必要があります。特に、自己資本比率が10%に満たない期が続いていたり、直前期が赤字だったりすると、申請時点で“基準に該当しない”という判断を受けてしまう可能性があります。
加えて、税・社会保険料・労働保険料の滞納がある場合は対象外となるので、納付証明や滞納がない旨の証明をあらかじめ取得しておく方が安全です。
5-3. 許可更新期限との兼ね合い
令和2年から、許可更新期限を待たずに優良認定付き更新申請を行うことが可能となりました。つまり「まだ更新期限まで余裕があるが、優良認定を取得して許可を7年にしておきたい」という事業者にも門戸が開かれています。ですが、要件を満たしていない段階で申請しても時間・労力だけがかかるリスクがあるので、十分な準備を経てから申請することをおすすめします。
6. よくある質問(Q&A)
7. まとめ ― 「誠実な努力」を形にするチャンス
優良認定は、単なる制度ではなく、これまで積み上げてきた誠実な努力を「公に証明する」仕組みです。
認定を受けた企業からは、
「取引先からの信頼が増した」「新規の問い合わせが来るようになった」
といった声も聞かれます。
もし、次の許可更新が1年以内に迫っているなら、今がまさに動き出しどきです。
まずは許可証や決算書を手元に置き、6か月前からの準備状況を一度点検してみましょう。
それが、7年の安定と信頼につながる最初の一歩です。
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