【補助金申請】よく落ちる計画書の共通点5つと”採点者視点”の直し方


目次

1. 導入部

「頑張って書いたのに、なぜかいつも落ちてしまう…」

小規模事業者持続化補助金の申請で、そう感じたことはありませんか?同じような事業内容なのに、採択される計画書と、そうでない計画書があるのはなぜでしょうか?

私は行政書士として、これまで多くの補助金申請書を拝見してきました。その経験から、残念ながら不採択になってしまう計画書には、いくつかの共通点があることがわかっています。それは、多くの申請者が陥りがちな「自己視点」の罠です。

この記事では、あなたの情熱や想いを「採点者(審査委員)の視点」で再構築する方法をお伝えします。

この先を読み進めることで、あなたは以下のことを手に入れられます。

  • 多くの人が見落としがちな5つの失点ポイントを、具体的な失敗例と共に学べます。
  • なぜそれが採点者にとって問題なのか、その真意を理解できます。
  • すぐに実践できる具体的な改善方法を知り、あなたの計画書を劇的に変えられます。

さあ、あなたの事業計画を、採択へと導く「最強の武器」に変えていきましょう。


2. 前提知識

小規模事業者持続化補助金の概要

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や生産性向上に取り組む際の費用を一部補助する制度です。この補助金は、単なる資金援助ではなく、事業計画の策定を通じて、持続的な経営発展を促すことを目的としています。

審査は、提出された事業計画書を基に、複数の審査委員によって行われます。採択されるか否かは、あなたの事業が「この補助金の目的に合致し、かつ、計画の実現可能性が高い」と判断されるかどうかにかかっています。近年では、申請件数の増加に伴い、採択率が変動する傾向にあります。

採点者の視点とは

採点者、すなわち審査委員は、主に中小企業診断士税理士といった、経営や財務の専門家で構成されています。彼らは、短期間に膨大な数の申請書を審査します。

この「限られた時間」という制約が、採点者の視点を理解する上で最も重要です。彼らは、隅々までじっくり読むのではなく、「重要なポイントが明確に、論理的に書かれているか」を瞬時に判断します。あなたの情熱や事業の背景にある物語よりも、「客観的な事実に基づいた論理性」が何よりも重視されるのです。


3. よく落ちる計画書の共通点5つ

【失点ポイント1】現状分析が表面的・根拠不足

よくある失敗例:

「近年の売上減少が課題です」
「競合店は多いが、勝てる自信があります」

このような記述は、あなたの事業が直面する本質的な課題を捉えきれていません。単なる感覚や主観的な意見では、採点者を納得させることはできません。

採点者視点での問題

採点者は、課題の本質を理解しているか判断できません。課題が明確でなければ、続く解決策(事業計画)が本当に効果的なのかを評価することができないのです。

直し方(具体的改善策)

  • 数値データによる現状把握: 過去3年間の売上推移や客層データ、アンケート結果など、具体的な数値で現状を記述しましょう。
  • SWOT分析の活用: 自社の強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)、そして外部環境の機会(Opportunities)と脅威(Threats)を客観的に分析し、事業課題と結びつけます。
  • 業界動向との関連付け: 自分の事業だけでなく、業界全体のトレンドや市場規模、競合他社の動向といった客観的根拠を盛り込みます。

【失点ポイント2】事業計画の実現可能性が不明確

よくある失敗例:

「SNSを活用して認知度を高め、売上を向上させます」
「来年度中に目標を達成します」

これらの計画は、「どうやって?」という最も重要な部分が欠けています。

採点者視点での問題:

採点者は「この事業者は、本当にこの計画を実行できるのだろうか?」と疑問に感じます。どれだけ素晴らしいアイデアでも、絵に描いた餅では、補助金の効果的活用が見込めないと判断されてしまいます。

直し方(具体的改善策):

  • SMARTな目標設定:
    • Specific(具体的)
    • Measurable(測定可能)
    • Achievable(達成可能)
    • Relevant(関連性がある)
    • Time-bound(期限がある)このフレームワークに沿って、「SNSのフォロワーを○ヶ月以内に○人増やす」といった具体的な目標を設定しましょう。
  • 月次スケジュールの作成: 「いつ、誰が、何をするか」を明確にしたスケジュールを作成します。
  • 必要リソースの具体的積算: 計画遂行に必要な人(人員計画)物(設備・備品)金(資金計画)を具体的に算出し、見積書や根拠資料を添付して実現可能性を高めます。

【失点ポイント3】補助事業の必要性・効果が伝わらない

よくある失敗例:

「売上を向上させるために、ウェブサイトを制作したい」

この記述では、なぜ「補助金を使って」ウェブサイトを制作する必要があるのかが伝わりません。

採点者視点での問題:

補助金は、事業者が自力では解決できない課題を克服するために、「事業の背中を押す」ためのものです。補助金がなくても実施できるような計画では、必要性が低いと判断されてしまいます。

直し方(具体的改善策):

  • Before/Afterの明確な比較: 補助金活用「」の課題と、活用「」の事業の姿を具体的に示しましょう。例えば、「現状は既存顧客への口コミに依存しているが、ウェブサイト制作後は新規顧客からの問い合わせを20%増やす」といった比較です。
  • 投資回収期間の算出: 投下した補助金が、将来的にどれくらいの期間で回収できるかを売上予測利益率から算出します。
  • 補助金活用の必然性を論理的に説明: なぜ今、このタイミングで、この規模の投資が必要なのかを論理的に説明します。「この補助金がなければ、この事業は実行できません」という強いメッセージが伝わるように記述しましょう。

【失点ポイント4】書類の体裁・読みやすさの問題

よくある失敗例:

文字をぎっしり詰め込み、読みにくい文章で構成されている計画書は、内容以前の問題です。採点者は、読む気をなくしてしまいます

採点者視点での問題:

短時間で内容を把握できないため、重要なポイントが埋もれてしまいます。せっかく素晴らしい事業計画でも、伝わらなければ意味がありません。

直し方(具体的改善策):

  • 要点を明確にする構成術:
    • タイトル見出しを工夫して、一目で内容がわかるようにします。
    • 箇条書き太字を活用して、重要なキーワードを際立たせます。
  • 効果的な図表の作成方法: 計画の全体像や、複雑なデータは図表を使って視覚的に表現しましょう。
  • 読み手を意識した文章術: 一文を短くし、です・ます調で丁寧に記述します。専門用語には簡単な補足を加えます。

【失点ポイント5】地域性・独自性の欠如

よくある失敗例:

「どこにでもあるようなECサイトを立ち上げる」
「地域とは関係なく、ただ売上を上げたい」

このような計画書は、地域貢献への意欲が感じられず、テンプレート的な印象を与えてしまいます。

採点者視点での問題:

この補助金の重要な目的の一つは「地域経済の活性化」です。あなたの事業が、地域の雇用創出や魅力向上にどう貢献するのかが伝わらなければ、採点者の心に響きません。

直し方(具体的改善策):

  • 地域資源の活用方法: 地元の特産品、観光資源、歴史的背景などを事業に取り入れ、地域に根差した独自性をアピールします。
  • ユニークな価値提案の作り方: 競合他社にはない、あなたの事業ならではの「強み」や「価値」を明確に表現します。
  • 地域課題解決への貢献アピール: あなたの事業が、地域の少子高齢化や過疎化、耕作放棄地といった課題をどう解決するかを記述しましょう。

4. 実践編:採点者視点での自己チェック方法

チェックリストの提供

以下は、あなたの計画書を採点者視点で評価するためのチェックリストです。それぞれの項目について、ご自身で点数をつけてみましょう。

項目評価ポイント自己評価(1〜5点)
現状分析客観的なデータに基づいているか?
SWOT分析が活用されているか?
実現可能性SMARTな目標設定か?
月次スケジュールが具体的か?
必要リソースの根拠は明確か?
必要性・効果補助金活用の必然性が伝わるか?
投資対効果が論理的に説明されているか?
書類の体裁見出しや箇条書きで読みやすいか?
図表が効果的に使われているか?
地域性・独自性地域資源が活用されているか?
競合との差別化が明確か?

合計点数が低い項目は、重点的に見直す必要があります。

第三者目線での確認方法

  • 家族・知人による読み合わせ: 専門知識のない家族や知人に読んでもらい、「わかりにくい」と感じた部分を洗い出しましょう。
  • 業界外の人への説明テスト: 自分の事業について、業界外の人5分で説明してみてください。そこでうまく伝わらない部分は、計画書でも同様に伝わらない可能性が高いです。

5. 成功事例の紹介

Before/After比較

あるカフェ事業者は、「売上を上げるため、ECサイトを立ち上げる」という計画書を提出し、一度不採択になりました。

  • Before(修正前)
    • 現状分析:「コロナで客足が減った」という漠然とした記述。
    • 事業計画:「ECサイトでコーヒー豆を販売する」という一般的な内容。
    • 問題点:なぜECサイトが必要なのか、どのようなECサイトなのかが不明確。

そこで、採点者視点での修正をアドバイスしました。

  • After(修正後)
    • 現状分析: 「コロナ禍で県外からの観光客が激減し、主力であるイートイン売上が前年比30%減。一方で、地元客からの『自宅で店の味を楽しみたい』という要望が増加」という具体的な課題を提示。
    • 事業計画: 「地元の有名陶芸家のマグカップと、当店のオリジナルブレンドをセットにした『地域限定おうちカフェセット』を、独自のECサイトで販売。地域外からの新たなファン獲得を目指す」という独自性地域貢献性を明確にしました。

この修正後、計画書は無事採択となりました。

業種別のポイント

  • 製造業: 生産性向上や新技術導入の計画は、数値目標(生産効率○%アップ、不良率○%削減)を明確に。
  • サービス業: 顧客満足度向上や新たなサービス開発は、顧客アンケート市場データを根拠に、なぜそのサービスが必要かを説明。
  • 小売業: 新たな販路開拓は、競合店との差別化来店客数の目標値を具体的に記述。

6. まとめ

5つの失点ポイントの再確認

改めて、よく落ちる計画書の5つの共通点を確認しましょう。

  1. 現状分析が表面的・根拠不足
  2. 事業計画の実現可能性が不明確
  3. 補助事業の必要性・効果が伝わらない
  4. 書類の体裁・読みやすさの問題
  5. 地域性・独自性の欠如

これらのポイントを意識して、「採点者はどこを見るか?」を常に念頭に置いて計画書を読み返してみてください。

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計画書は、あなたの事業の未来を映す鏡です。適切な準備と正しい視点を持つことで、採択の可能性は劇的に向上します。補助金の獲得は、事業成長への大きな第一歩です。あなたの挑戦を、心から応援しています!

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