【2025年版】小規模事業者持続化補助金(第18回)完全ガイド – 最大250万円の支援を受けるには

物価高騰や人件費上昇で経営が厳しい今、小規模事業者の強い味方となるのが「持続化補助金」です。

国が実施するこの制度では、販路開拓や業務効率化の取り組みに対して最大250万円まで支援を受けることができます。しかし、公募要領は39ページにも及ぶ長文で、「読むのが辛い」という声をよく聞きます。

この記事では、行政書士の視点から要点を整理し、申請から採択まで分かりやすく解説します。

目次

1. 小規模事業者持続化補助金とは?

制度の目的

この補助金は、小規模事業者が今後直面する様々な制度変更(物価高騰、賃上げ、インボイス制度など)に対応するため、販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する制度です。

基本的な支援内容

購入した設備などの費用について下記の割合で補助します。

補助上限額

  • 基本:50万円
  • 特例により最大:250万円

補助率

  • 通常:2/3
  • 赤字事業者:3/4

実施期間

  • 交付決定日から開始でき、事業実施期限は2027年2月26日
  • 交付決定は2026年3月予定

どんな取り組みが対象?

具体的には以下のような取り組みが支援されます:

  • 新商品・サービスの開発
  • ホームページ・ECサイトの構築
  • 展示会への出展
  • 広告・宣伝活動
  • 看板作成・設置
  • 業務効率化のための設備導入

注意:建物の新築・大規模改装は原則対象外です

2. 申請できるのはどんな事業者?

従業員数による判定

小規模事業者かどうかは、業種別の従業員数で判定します:

商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) → 常時使用する従業員5人以下
宿泊業・娯楽業 → 常時使用する従業員20人以下
製造業その他 → 常時使用する従業員20人以下

対象となる事業者

以下の事業者が申請できます:

  • 株式会社、合同会社などの法人
  • 個人事業主(商工業者)
  • 一定要件を満たすNPO法人

申請できない事業者

次のケースは申請対象外となります:

  • 資本金5億円以上の大企業の子会社
  • 過去の持続化補助金で「事業効果報告書」未提出の事業者
  • 創業型補助金との重複申請者
  • 申請時点で開業していない創業予定者

3. 補助金額を大幅アップする特例制度

基本50万円の補助金を大幅に増額できる特例制度があります。

インボイス特例(+50万円)

対象となる事業者

以下のいずれかに該当し、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者:

  • 2021年9月30日~2023年9月30日の間に免税事業者だった方
  • 2023年10月1日以降に創業した方

申請時の手続き

  • 申請画面でインボイス特例にチェック
  • 過去3年分の課税売上高を入力(2019年・2020年・2021年)
  • 適格請求書発行事業者の登録通知書を提出(電子申告の場合は受信通知画面)

重要な注意点 要件を1つでも満たさない場合は、特例部分だけでなく補助金全体が交付対象外となります。

賃金引上げ特例(+150万円)

適用要件

補助事業終了時点で、事業場内最低賃金が申請時より50円以上引き上がっていること。

赤字事業者への優遇措置

直近1期の課税所得がゼロ以下の事業者は:

  • 補助率が2/3から3/4にアップ
  • 優先採択の対象

申請時の手続き

  • 賃金引上げ特例を選択
  • 必要書類の準備(詳細は公募要領・別紙「参考資料」で確認。一般的には賃金台帳等のエビデンス整備が必要)

重要な注意点 要件を1つでも満たさない場合は、特例部分だけでなく補助金全体が交付対象外となります。

両特例併用で最大250万円

インボイス特例(+50万円)と賃金引上げ特例(+150万円)を併用すれば:

基本50万円 + インボイス50万円 + 賃金引上げ150万円 = 最大250万円が補助されます。

4. 補助対象となる経費8種類

①機械装置等費

対象となるもの

  • 販路開拓に必要な機械・設備の購入
  • 高齢者向け椅子、ベビーチェア
  • 生産販売拡大のための調理器具
  • 製造・試作機械

注意点

  • 汎用パソコンや自動車等、申請した計画以外の業務に転用できるものは原則対象外になりやすい
  • 単なる取替え更新は対象外
  • 50万円以上は処分制限財産(事務局の許可が無いと売却などが不可)となる
  • 100万円超は2者以上からの見積が必要

②広報費

対象となるもの

  • チラシ・カタログの作成・発送
  • 新聞・雑誌への広告掲載
  • 看板の作成・設置
  • 試供品(販売用と明確に異なるもの)

注意点

  • 単なる会社PRは対象外
  • 商品・サービスの宣伝広告が目的であること

③ウェブサイト関連費

対象となるもの

  • ECサイトの構築・更新
  • サイトの制作・改修・運用
  • 業務効率化ソフトウェア
  • 特定業務用ソフトウェア

広告出稿費は②広報費で計上

  • インターネット広告の掲載料
  • バナー広告の掲載費用
  • SNS広告の出稿費用

重要な制限

  • 申請額の1/4が上限
  • 他の経費と組み合わせる必要あり(単独申請不可)
  • 詳細は公募要領のウェブサイト関連費の章を参照

④展示会等出展費

対象となるもの

  • 展示会・商談会への出展料
  • 運搬費、通訳料、翻訳料
  • オンライン展示会も対象

注意点

  • 国の助成を受ける展示会は対象外
  • 請求書発行は交付決定日以降

⑤旅費

対象となるもの

  • 販路開拓に直接必要な出張の運賃・宿泊等(自社旅費規程相当)
  • 展示会・商談会への参加旅費

具体的な対象経費の範囲や制限事項は、公募要領の該当節「よくあるご質問(FAQ)」で最新情報を必ず確認してください。

⑥新商品開発費

対象となるもの

  • 試作品の原材料費
  • パッケージのデザイン費用
  • 新製品開発に必要な材料

注意点

  • 必要最小限の数量に限定
  • 受払簿の作成が必須
  • 実際に使用した分のみ対象

⑦借料

対象となるもの

  • 機器・設備のリース料
  • イベント会場の賃借料
  • 補助事業専用の事務所賃料(新規開設分)

注意点

  • 補助事業期間分のみ按分計算
  • 既存事務所の家賃は原則対象外

⑧委託・外注費

対象となるもの

  • 看板作成・設置(②広報費該当の場合もあり)
  • 専門家へのコンサルティング費用
  • 市場調査・制作・運用代行などの役務

注意点

  • 建物の新築・大規模改装は原則対象外
  • 自ら実行困難な業務に限定
  • 成果物の確認が必要
  • 50万円以上の外注は処分制限あり

5. 申請スケジュールと手続き

第18回公募の重要日程

公募開始:2025年6月30日(月)
申請受付期間:2025年10月3日(金)~11月28日(金)17:00
事業支援計画書発行締切:2025年11月18日(火) ※この期限以降の発行依頼は一切受け付けません

申請手続きの流れ

Step 1:Gビズプライム取得(数週間前)

  • 電子申請に必須のアカウント
  • 取得まで数週間かかるため早めに準備

Step 2:事業計画の策定

  • 経営状況の分析
  • 販路開拓の具体的計画
  • 経費の積算

Step 3:商工会・商工会議所での相談

  • 事業計画の内容確認
  • 必要書類のチェック
  • 面談による発行審査

Step 4:事業支援計画書の発行

  • 商工会地区:システム内で依頼→窓口で発行
  • 商工会議所地区:窓口で発行→システムにアップロード

Step 5:電子申請

  • 必要書類を全て準備
  • 締切:11月28日17:00厳守

6. 採択率を上げる加点制度

審査は加点方式で行われます。政策的観点から以下の加点を受けられます。

重要:加点制度の詳細は変更される場合があります 具体的な加点項目や要件は、最新の別紙「参考資料」・よくあるご質問(FAQ)で必ず確認してください。

加点制度の基本構造

重点政策加点(複数項目から1つ選択)

  • 赤字賃上げ加点:業績が赤字でも賃上げに取り組む事業者への優遇
  • 事業環境変化加点:物価高騰・原材料費上昇等の影響を受けている事業者
  • 東日本大震災加点:福島12市町村や太平洋沿岸部の水産関連事業者への支援
  • くるみん・えるぼし加点:次世代育成支援・女性活躍推進の認定事業者

政策加点(複数項目から1つ選択)

  • 賃金引上げ加点:従業員の賃金を30円以上引き上げる事業者
  • 地方創生型加点:地域資源活用や地域課題解決に取り組む事業者
  • 経営力向上計画加点:中小企業等経営強化法に基づく認定を受けた事業者
  • 事業承継加点:代表者60歳以上で後継者候補が事業を実施する場合
  • 過疎地域加点:過疎地域で事業を実施する事業者

7. 必要書類チェックリスト

全事業者共通

  • 申請書(システムに直接入力)
  • 事業支援計画書(商工会・商工会議所発行)

法人の場合

基本書類

  • 貸借対照表・損益計算書(直近1期分)
  • 現在事項全部証明書(決算期未到来のみ)
  • 株主名簿(必要な場合)

個人事業主の場合

基本書類

  • 確定申告書一式(第一表、第二表、収支内訳書または青色申告決算書)
  • 開業届・売上台帳(決算期未到来のみ)

NPO法人の場合

基本書類

  • 貸借対照表・活動計算書
  • 現在事項全部証明書(決算期未到来のみ)
  • 法人税確定申告書(別表一・四)

特例申請時の追加書類

インボイス特例

  • 適格請求書発行事業者の登録通知書

賃金引上げ特例

  • 賃金台帳(直近1か月分・全従業員)
  • 雇用契約書等(労働条件記載)
  • 法人税申告書(赤字事業者のみ)

8. 審査のポイント

審査は3段階で行われます。

基礎審査(失格審査)

以下の要件を1つでも満たさない場合は失格:

  • 必要書類の完備
  • 補助対象者・事業の要件適合
  • 事業遂行能力の有無
  • 小規模事業者の主体的取組

計画審査(加点審査)

①自社の経営状況分析の妥当性

  • 自社の強み・弱みを適切に把握しているか
  • 市場環境を正しく分析しているか

②経営方針・目標と今後のプランの適切性

  • 自社分析を踏まえた方針になっているか
  • 顧客ニーズを捉えた目標設定か

③補助事業計画の有効性

  • 実現可能性の高い具体的計画か
  • 経営目標達成に有効な取組か
  • 新たな価値を生み出す内容か
  • デジタル技術の活用があるか

④積算の透明・適切性

  • 計画に必要な経費が適切に積算されているか
  • 金額の妥当性は確保されているか

加点審査

重点政策加点と政策加点により、最終的な点数が決定されます。

9. 採択後の注意点

絶対に守るべきルール

交付決定前の支出は全て対象外

  • 採択通知ではまだ事業開始不可
  • 交付決定通知書の受領後から開始

第三者支援の記載義務

  • 支援を受けた場合は相手方と金額を必ず記載
  • 記載漏れは虚偽報告として不採択・交付決定取消となります

見積書提出期限の厳守

  • 期限:2027年1月29日
  • 遅れると採択取消

実績報告書の提出

  • 補助事業終了後に実績報告書を提出(提出期限や様式は交付決定通知・要領の指示に従う)

処分制限財産の管理

対象となる財産

  • 50万円以上の機械装置等
  • 50万円以上のウェブサイト
  • 50万円以上の店舗改装

制限内容

  • 一定期間(通常5年間)の処分制限
  • 勝手に売却・廃棄すると返還命令
  • 処分時は事前承認が必要

書類保存義務

補助事業に関係する帳簿および証拠書類は、交付規程・会計検査に備え長期保存を推奨(原則複数年):

  • 契約書、発注書、納品書
  • 請求書、領収書、振込明細
  • 補助事業関係の帳簿類

会計検査院の実地検査もあり得るため、確実な保存が必要です。

10. よくある失敗例と対策

申請時の失敗

失敗例1:Gビズプライム取得の遅れ → 対策:申請予定が決まったら即座に取得手続き

失敗例2:事業支援計画書の発行遅れ → 対策:11月18日締切を厳守、早めに商工会等へ相談

失敗例3:必要書類の不備 → 対策:チェックリストで事前確認

事業実施時の失敗

失敗例1:交付決定前の発注 → 対策:交付決定通知書の受領確認後に発注
失敗例2:補助対象外経費の計上 → 対策:事前に補助金事務局へ確認
失敗例3:相見積の不備 → 対策:100万円超は必ず2者以上から取得

実績報告時の失敗

失敗例1:領収書の紛失 → 対策:支払と同時に整理・保管
失敗例2:事業実施の証明不足 → 対策:取組状況の写真撮影、実施報告書作成
失敗例3:報告書提出の遅れ → 対策:事業完了と同時に報告書作成開始

11. 成功事例に学ぶ

製造業の成功事例

事業者:金属加工業(従業員3名) 取組内容:新商品開発 + 展示会出展 補助金額:48万円

成功のポイント

  • 市場ニーズを的確に分析
  • 新商品の差別化ポイントが明確
  • 展示会での販路開拓戦略が具体的
  • 結果:売上30%アップを実現

サービス業の成功事例

事業者:コンサルティング業(従業員2名) 取組内容:ECサイト構築 + インターネット広告 補助金額:42万円

成功のポイント

  • デジタル化による業務効率化
  • ターゲット顧客を明確に設定
  • 費用対効果を数値で説明
  • 結果:新規顧客獲得数2倍

飲食業の成功事例

事業者:レストラン(従業員4名) 取組内容:店舗改装 + テイクアウト事業開始 補助金額:50万円

成功のポイント

  • コロナ禍の環境変化に対応
  • テイクアウト用設備の導入
  • 新しい顧客層の開拓
  • 結果:売上回復と新事業確立

まとめ

持続化補助金活用の5つのポイント

1. 早めの準備 Gビズプライム取得や事業計画策定は時間がかかります。余裕を持ったスケジューリングが重要です。

2. 特例の積極活用 インボイス特例や賃金引上げ特例を活用すれば、補助上限を大幅にアップできます。

3. 加点制度の戦略的選択 自社の状況に応じて最も効果的な加点を選択しましょう。

4. 商工会・商工会議所との連携 事業支援計画書の発行だけでなく、事業計画の質向上のためにも積極的に相談を。

5. 継続的な関係構築 補助金は一時的な支援です。持続的な成長のための基盤づくりを心がけましょう。

行政書士からのアドバイス

持続化補助金は小規模事業者にとって非常に有効な支援制度ですが、申請書の作成から事業実施、実績報告まで、専門知識を要する部分も多くあります。

特に以下の点は専門家のサポートを受けることをお勧めします:

  • 事業計画書の作成と精度向上
  • 補助対象経費の適切な判断
  • 必要書類の完備と期限管理
  • 実績報告書の正確な作成

申請をお考えの事業者様は、お気軽にご相談ください。

持続化補助金を効果的に活用し、事業の持続的発展を実現するお手伝いをいたします。


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ご相談は、どんな段階でも大丈夫です。
「手続きの流れを知りたい」「自分のケースで進められるか確認したい」「期限までに間に合うかだけ聞きたい」といった内容だけでもお気軽にお知らせください。

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