小規模事業者持続化補助金で採択率を上げる「加点項目」完全解説(第18回対応)

目次

はじめに

小規模事業者持続化補助金<一般型>は、販路開拓や業務効率化など、中小企業・小規模事業者の前向きな取り組みを支援するために設けられた公的制度です。補助額は最大200万円(インボイス特例などにより変動あり)と大きく、事業の成長に向けた投資を後押しする非常に心強い制度といえるでしょう。

しかしながら、申請者が多いこの補助金において、採択されるかどうかの鍵を握るのが「加点項目」です。加点を獲得することで、審査における評価が有利になり、同程度の事業計画の中で相対的に高評価となる可能性が高まります。

本記事では、2025年(令和7年)実施の「第18回公募」に対応した最新の加点項目について、公募要領に基づき詳細に解説します。さらに、加点を取得することでなぜ有利になるのか、その理由や仕組みについても丁寧に説明します。補助金申請を考えている事業者の方は、ぜひ最後までご覧いただき、採択に向けた戦略を立てる参考にしてください。


加点を取ると何が有利なのか?

加点項目とは、補助金の審査において「加点される評価項目」のことです。これらは、国や自治体が重視している政策テーマ(例:賃金引上げ、事業承継、防災計画など)に沿った取り組みに対して設けられています。

審査においては、「事業の有効性・実現可能性・費用対効果・社会性・地域性」などが基本的な評価軸となりますが、加点項目を満たしている場合、その分だけ審査上の「点数」が上乗せされます。これにより、

  • 競争倍率が高い回でも採択の可能性が上がる
  • 内容が同程度の他の申請と比較して有利になる
  • 地域や政策目的に合致する優先支援対象として評価される

といったメリットが生まれます。

加点の本当の意義

かし、加点の本当の意義は「補助金を取りやすくする」ことにとどまりません。加点項目の多くは、企業の体制整備や中長期的な経営力の強化に直結する内容で構成されています。たとえば:

  • 「賃金引上げ加点」では、人件費を見直し、従業員の処遇改善が求められます。
  • 「経営力向上計画加点」では、経営分析を通じて企業の課題を可視化し、改善計画を策定します。
  • 「事業継続力強化計画加点」では、災害や感染症リスクに備えた事業継続体制の構築を進めます。

つまり、加点項目に取り組むこと自体が、企業としての底力を高める契機となるのです。

補助金申請を通じて、これまで手つかずだった内部の制度や働き方、経営課題の洗い出しと改善に取り組むことで、単なる資金調達にとどまらない、「経営の見える化と整備」が自然と進みます。

採択されるかどうかももちろん大切ですが、それ以上に、加点取得を意識して経営体制を見直すことそのものが、長期的な企業の成長につながっていくのです。

加点項目

小規模事業者持続化補助金の場合、下記の「重点政策加点」と「政策加点」からそれぞれ1種類の加点項目を選択することが可能です。

重点政策加点

赤字賃上げ加点

直近の決算において赤字である小規模事業者が、補助事業の終了時点において「賃金引上げ特例」の条件(事業場内最低賃金を+50円以上引き上げる)を満たす場合に加点されます。赤字企業が賃上げに踏み切ることは経営的な挑戦でもありますが、雇用維持や地域経済への貢献姿勢を示すものとして高く評価されます。

事業環境変化加点

近年、ウクライナ問題などを契機とした原材料費・人件費の高騰、エネルギー価格の上昇など、中小企業を取り巻く環境は激変しています。こうした社会的・経済的変化によってどの程度仕入値や売り上げが影響したかを具体的に数値で示すことにより加点対象となります。

東日本大震災加点

対象となるのは、福島県内の指定12市町村に所在する事業者、または汚染水の放出の影響が懸念される東北の太平洋沿岸地域で水産仲卸業・水産加工業を営む事業者です。震災から10年以上が経過してもなお地域復興が道半ばであることから、引き続き重点支援地域として特別な加点が設けられています。所在地や業種の証明が必要です。

くるみん・えるぼし認定加点

厚生労働省が認定する「くるみん(子育てサポート企業)」「えるぼし(女性活躍推進企業)」のいずれかの認定を取得している事業者が対象です。申請にあたっては認定証の写し等の提出が求められます。これらの認定は企業の社会的信頼性やダイバーシティへの配慮を示すものであり、補助金審査においてもプラスの評価となります。


政策加点

賃金引上げ加点

申請時点の事業場内最低賃金に比べて、補助事業終了時点で30円以上引き上げることを計画し、かつ実施する事業者が対象です。対象となる「事業場内最低賃金」は、雇用している従業員の中で最も低い時給水準を指します。実現可能な賃上げを無理なく計画に織り込む必要があります。

地方創生型加点

「地域資源型」「地域コミュニティ型」のいずれかに該当する事業を行う場合に加点されます。これらは、内閣府が認定する「地域再生計画」に基づき、市町村が指定した重点取組分野です。地域資源型には地元特産品や伝統技術の活用、地域コミュニティ型には高齢者支援やまちづくり活動との連携が含まれます。

経営力向上計画加点

中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」を認定取得済の事業者が対象です。この計画は、自社の経営課題を明確にし、設備投資や人材育成、IT導入などを通じて生産性の向上を図るものであり、主務大臣(業種別)による認定が必要です。事前に余裕をもって申請準備を行う必要があります。

事業承継加点

現経営者が60歳以上であり、補助事業の中心実施者が後継者であることが条件です。また、商工会議所・商工会が実施する「事業承継診断票(様式10)」の提出も求められます。形式的な引継ぎではなく、実際に後継者が経営を主導していることが求められるため、関係書類の整備が重要です。

過疎地域加点

「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」により指定された市町村に所在し、かつ地域経済の持続的発展につながる取組を実施している事業者が対象です。これらの過疎地域は地域の人口減少や高齢化の進展に直面しており、地域資源を活用した雇用創出・産業振興などが重要視されています。

一般事業主行動計画策定加点

「女性活躍推進法」に基づく「一般事業主行動計画」を策定し、都道府県労働局に届け出た事業者が対象です。従業員数が100人以下であっても、任意の届出が加点対象になります。行動計画には、採用・昇進・定着などに関する数値目標と取組内容を盛り込む必要があります。

後継者支援加点

中小企業庁主催の「アトツギ甲子園」において、ファイナリストまたは準ファイナリストとして表彰された実績を有する事業者が対象です。後継者による革新的な挑戦を後押しする狙いがあり、単なる参加歴ではなく、一定の成果が評価されていることが必要です。

小規模事業者卒業加点

補助事業終了後に小規模事業者の定義を超える見込みがある事業者が対象です(商業・サービス業で従業員数6人以上、製造業等で21人以上)。この計画が実現できなければ補助金返還の可能性もあるため、慎重かつ現実的な成長戦略が求められます。

事業継続力強化計画策定加点

中小企業等経営強化法に基づく「事業継続力強化計画(単独型または連携型)」の認定取得が条件です。地震・豪雨・感染症などのリスクを想定し、事業の継続や早期復旧のための備えを明記する必要があります。国の災害対策と連携することで、社会的信頼性も向上します。

令和6年能登半島地震等に伴う加点

石川・富山・新潟・福井の4県に所在し、令和6年1月以降の売上が、前年・前々年同月比で20%以上減少した事業者が対象です。加点には、該当地域の自治体が発行する「売上減少証明書」の提出が必要です。単なる所在地要件だけでなく、実際の被災・減収状況が求められる点に注意が必要です。


まとめ:加点を最大限活用し、採択率を高めよう

加点項目は、単なる「おまけ」ではありません。制度の意図を読み取り、事業計画に戦略的に組み込むことで、審査員に強くアピールできる要素となります。特に、複数の加点を取得している事業者ほど、採択率が高い傾向にあります。

また、申請書の質が同程度であればあるほど、加点の有無が「明暗を分ける」決定打となります。自社がどの加点に該当し得るかを冷静に分析し、取得可能なものについては早めに準備に取りかかることが肝要です。

つむぎ行政書士事務所では、加点項目の確認、計画書の添削、各種認定の申請支援まで一貫してサポートいたします。補助金申請で採択を目指す方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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