建設業界の人材不足はどれくらい深刻?データと対策を徹底分析

建設業の人手不足は「なんとなく感じる」レベルではなく、数字で見ても非常に深刻です。たとえば、就業者の55歳以上は約37%、29歳以下はわずか12%しかいません(日本建設業連合会「建設業の現状」2024年)。さらにピーク時から就業者数は大幅に減り、現場では技能労働者の恒常的な不足が続いています。

加えて、2024年4月から時間外労働の上限規制が完全適用され、これまでの「残業で工期を吸収する」方法は通用しなくなりました(厚生労働省「時間外労働の上限規制の適用」)。では、現場はどう動くべきでしょうか?
本記事では、最新データで現状を整理し、短期・中期・長期の3段階で、採用・定着・省人化の打ち手を提示します。


目次

現状を数字で把握:建設業の人手不足はどこまで進んだか

年齢構成の歪み:55歳以上37%・29歳以下12%

建設業の就業者は、55歳以上が約37%29歳以下はわずか12%(日本建設業連合会)。これは全産業と比較しても突出しており、若手不足は危機的水準です。

就業者数の推移:ピーク比で3割減

1997年に685万人いた就業者は、2024年には約477万人に減少しました。技能者に絞ると、464万人→303万人と大幅減(※日建連「建設業の現状」)。高齢化と同時進行で、現場力は確実に弱体化しています。

技能労働者の不足率:恒常的にマイナス

国土交通省の「建設労働需給調査」(2025年6月)によると、技能労働者不足率は全国平均で1.1%不足。主要8職種すべてで人員不足が続いています。

有効求人倍率の異常値

ハローワーク統計では、建設業の有効求人倍率は全職種平均を大きく上回る水準です。2025年4月時点で、建設業全体は4.81倍、躯体工事業に至っては7倍超という異常値です(厚労省職業安定局データ)。


深刻化の背景:制度・構造・地域の3要因

① 時間外上限規制が完全適用

2024年4月から、建設業にも年960時間等の時間外労働上限が適用されました(厚労省ガイドライン)。災害復旧など一部特例を除き、工期と人員をセットで確保しないと違法リスクが発生します。

② 外国人材への依存度上昇

厚生労働省によると、2024年10月末の外国人労働者数は約230万人と過去最多。建設分野は約14万人で、技能実習や特定技能による受入れが拡大中です(厚生労働省「外国人建設就労者の現状」)。

③ 女性・若手が定着しない環境

国土交通省の調査では、女性比率は技術者で約10%、技能者では1割未満(国土交通省「建設産業における女性定着促進」)。採用しても「現場に居場所がない」という声が残っています。また、長時間労働や評価不透明感が若手の離職要因になっています。

いますぐ現場が回るための“短期対策”【1年以内】

① 採用チャネルを多層化

  • 求人票に写真・動画を加える
    → 文字情報だけでは応募者に魅力が伝わりにくいです。現場や社員の雰囲気を写真や短い動画で見せることで応募率が大幅に向上します。
  • 職種別に求人を分ける(現場・営業・事務)
    → 一括募集は仕事内容がぼやけてしまいます。職種ごとに求人を分けるとターゲット層に響きやすくなります。
  • 紹介会社と技能実習監理団体の併用
    → ハローワークや自社採用だけに頼らず、民間サービスや監理団体を活用することで応募母数を確保できます。

② 定着率アップの即効策

  • オンボーディングプログラム(初日~1ヶ月のフォロー)
    → 最初の1ヶ月で不安を解消できるかが離職率を左右します。OJTと並行して定期面談を実施し、孤立感を防ぎましょう。
  • 1on1面談を月1回実施
    → 上司と部下の対話を定期的に確保することで、悩みや不満を早期に発見し、トラブルや離職を防止できます。
  • 資格受験費用の全額補助
    → キャリアアップへの投資はモチベーションに直結します。「会社が成長を支援している」メッセージは離職防止に効果的です。

③ 外注・協力会社の平準化

  • 発注カレンダーを作成し工期波動をならす
    → 季節や案件による繁閑差を軽減するため、協力会社に早めのスケジュール提示を行います。これにより週休2日モデルや時間外上限制に対応しやすくなります。

④ 低コストDXの導入

  • スマホ台帳アプリで写真管理
    → 現場写真の整理を自動化すれば、報告書作成の手間を減らせます。
  • 電子契約で印紙税を削減
    → 紙の契約書から電子契約に切り替えることで、印紙代の節約に加え、書類管理コストも大幅ダウン。
  • トータルステーションの活用率向上
    → 既に持っている測量機器を徹底活用すれば、新規投資なしで作業効率を改善できます。

1〜2年で効く“中期対策”

⑤ 外国人材の受入体制を整える

  • 受入計画・日本語教育・生活支援をセット化
    → 技能実習生や特定技能人材を採用する際、現場教育と生活面のサポートを同時に設計しないと、短期間で離職するリスクが高まります。
  • 技能実習から特定技能へのステップを明示
    → キャリアプランを提示することで、外国人材の定着率が高まります。
  • 安全教育の多言語対応
    → 事故防止には、母国語での理解が不可欠です。翻訳資料や動画教材を活用しましょう。

⑥ 多能工化で属人性を減らす

  • スキルマップを作成し、資格取得支援を制度化
    → 誰が何の作業をできるかを可視化し、教育計画を立てることで、特定の人に負荷が集中する状況を防げます。
  • ベテランの知見を形式知化
    → 施工ノウハウを動画・マニュアルに落とし込み、若手育成のスピードを上げましょう。

⑦ 受注交渉力を高める

  • ICT施工や週休2日条件を前提に契約交渉
    → 働き方改革や工期見直しは避けられません。価格・納期の合理的な修正を発注者と交渉できる資料を用意しましょう。

3年スパンで効く“長期対策”

⑧ DXで省人化を本格化

  • BIM/CIMの活用
    → 設計・施工をデジタルで一元管理することで、手戻りや現場調整のムダを削減できます。
  • 出来形計測の自動化
    → ドローンや3Dスキャナーを使い、検測を効率化。人手不足の現場で効果大です。
  • プレキャスト化・モジュール化
    → 現場作業を減らし、工期短縮と省人化を同時に実現できます。

⑨ 女性・若手が働きやすい環境づくり

  • トイレ・更衣室・安全装備を改善
    → 女性専用設備やサイズの合った装備がなければ、せっかく採用しても定着しません。
  • 固定残業を撤廃し評価を透明化
    → 評価基準を明確にし、残業削減と公正な処遇を同時に進めます。
  • キャリアパスを示す
    → 「何年で何ができるようになるか」を可視化し、若手のモチベーションを維持しましょう。

⑩ 地域連携で人材の供給源を確保

  • 高専や専門学校とのパートナーシップ強化
    → インターンやオープンカンパニーを毎年実施し、地元学生との接点を増やします。これにより採用コストを抑えながら、将来の採用候補者を確保できます。

よくある疑問

Q. 外国人材を受け入れる場合、最初に決めるべきことは?
監理団体or直接雇用かを決定し、コスト・リスクを明確に。生活支援の仕組みも初期段階で整えましょう。

Q. 上限規制に対応しつつ工期を守る方法は?
→ 工程分割・週休2日導入を前提に契約交渉。ICT施工や省人化ツールで手戻りを減らすのがカギ。

Q. CCUSは採用・定着に効きますか?
技能の見える化と評価につながり、外国人材や若手のモチベーション向上にも寄与します。


まとめ:今できることを、今日から

建設業の人材不足は、データで見ても危機的です(※日建連・国交省統計)。採用だけに頼らず、定着・省人化・交渉力をバランスよく進めることが不可欠。
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