「3年で撤退」を避けるには?地方民泊が伸び悩む理由と数字で見る成功条件

「3年で撤退」を避けるには?地方民泊が伸び悩む理由と数字で見る成功条件

「空き家を相続したけれど、民泊ってぶっちゃけどうなの?」
「茨城で空き家活用を考えているけれど、投資して回収できるか不安…」

こういった相談は、ここ数年で確実に増えています。空き家活用やインバウンド回復の流れもあり、地方でも民泊は“選択肢”になりました。
ただ、相談の現場でよく出てくるのが、始める前の想定と、始めた後の現実がズレたまま走ってしまい、結果として数年で運営を見直さざるを得なくなるというパターンです。

この記事は、次のような方に向けて書きます。

  • 空き家を活用して民泊を始めたいが、「本当に投資して大丈夫か」不安な方
  • すでに構想・リフォーム計画があるが、「数字と制度」を一度整理してから動きたい方

そして最初に、よくある“失速の流れ”の一例を共有します。

  • 初年度:勢いで立ち上げ、繁忙期の売上を見て「いけそう」と感じる
  • 2年目:清掃・鍵・問合せ対応などの運営負荷と、固定費の重さが効いてくる
  • 3年前後:投資回収が見えず、家族や近隣のストレスも積み上がり「撤退」か「制度変更(旅館業等)」の判断を迫られる

この“3年前後の壁”は、気合いの問題ではなく、数字と設計の問題であることが多いです。
そこで本記事では、「とりあえずAirbnb」のノリでは続きにくい理由を、現場感+数字で整理していきます。

目次

地方民泊の「現実」とチャンス

1. まず「地方」の中身を分けて考えます

ひと口に「地方」と言っても、実は難易度が違います。茨城で考えるなら、ざっくり次の2タイプです。

  • 地方都市型(例:水戸・ひたちなか等)
    需要が観光だけでなく、帰省・仕事・研修・イベントなどが混ざりやすい一方、競合(ホテル・他の民泊)も一定数あります。運営の外注先が見つかる可能性も比較的高めです。
    そしてここが重要で、“平日のビジネス需要を拾えるか”が、180日の枠内で売上を作る鍵になりやすいです。
  • 完全田舎型(周辺に宿泊施設・運営事業者が少ないエリア)
    競合は少ない反面、「そもそも需要が細い」「清掃業者がいない/遠い」「近隣との距離が近い」など、運営面で壁に当たりやすい傾向があります。

同じ“空き家民泊”でも、この違いで「勝ち方」が変わります。

2. 都市部と同じ売り方が通りにくい理由

都市部は「駅近」「観光地密集」「公共交通中心」という前提があるため、短期滞在の回転で稼ぎやすいです。
一方、地方・郊外は次のような前提になりやすいです。

  • 車移動が前提で、立地の強みが「駅徒歩」では測れない
  • 週末・連休・イベント時に需要が寄り、平日が弱くなりがち
  • 需要の中身が「観光」だけでなく、帰省・スポーツ大会・工事・研修など混ざりやすい

この違いを無視して都市部の成功パターンを当てはめると、稼働率・単価・運営の見積りがズレやすくなります。

3. 「続く民泊」は確かに存在します

地方でも、都会と同じ土俵に乗らず、需要に合わせて“客層・設備・運営”を揃えた民泊は成立しています。
一方で、観光庁の民泊制度ポータルでは、住宅宿泊事業の届出件数・事業廃止件数が公表されています
もちろん「廃止=失敗」とは限りませんが、継続が簡単ではないのは確かです。

3年続かない地方民泊に多い5つの理由

理由1 稼働率・単価の前提が甘すぎる

計画段階でよくあるのが、年間平均で高稼働・高単価を置いてしまうケースです。
地方は繁閑差が出やすく、繁忙期の勝ちだけでは続きません。必要なのは、閑散期を耐える設計です。

さらに重要なのが、制度上の上限です。住宅宿泊事業は「宿泊させる日数が1年間で180日を超えない」枠組みです。平均すると「月15泊相当」が上限になりやすいので、ここを踏まえずに計画すると、後から取り返しがつきません。

そして落とし穴がもう一つあります。自治体の条例で、さらに実施できる区域や期間が制限される場合があります。
結果として「180日どころか、実質週末しか貸せない」ケースもあり得ます。

対策:まず「制度上、最大何泊まで可能か」を押さえ、条例上の制限も確認した上で、その範囲内で“現実的な稼働率と単価”を置いてシミュレーションします。

理由2 固定費をカバーする「最低ライン(損益分岐)」を決めていない

ローン・保険・通信費・インフラ基本料・税金・修繕など、固定費は“稼働が落ちても減らない”のが怖いところです。
損益分岐を決めていないと、赤字かどうかを最後まで感覚で判断することになります。

対策:「月◯泊で赤字は出ない(トントン)」を必ず数式で置きます。

理由3 誰に貸すのかが曖昧で、設備・PRがブレる

「インバウンドも、ファミリーも、長期も、ビジネスも」と対象を広げすぎると、結局どれにも刺さりません
客層が決まらないと、設備投資の優先順位も、写真も、説明文もブレます。

対策:「誰の、どんな不便を解決する宿か」を一言で言える状態にします。

理由4 清掃・鍵・クレーム対応など運営オペレーションを軽く見ている

“運営が回るか”は、収益性と同じくらい重要です。
自分で全部やる前提で始めると、繁忙期ほど体力が削れます。

そして地方で地味に効いてくるのが、「お金を払えば外注できる」とは限らない点です。
民泊1軒のために動いてくれる清掃業者が近隣にいない、距離が遠く単価が跳ねる、そもそも受けてもらえない……といったことは普通に起きます(特に完全田舎型)。

対策:自主管理/一部外注/管理委託のどれが現実的かを最初に決めます。自主管理で始める場合でも、将来外注に切り替えられる余地を最初から織り込むのがおすすめです。

理由5 家族・近隣など生活面の負荷を織り込んでいない

深夜チェックイン、騒音、ゴミ、路上駐車など、生活圏に近いほど摩擦が起きやすいです。
運営開始後に家族や近隣からの抵抗が強くなり、精神的コストで撤退することもあります。

対策:始める前に「許容ライン(曜日・時間・頻度)」を家族内で決め、近隣への説明・連絡体制も設計します。

続く民泊は「損益分岐」を最初に決めている

このパートでやるのは、難しい会計ではありません。「月に何泊売れれば赤字が出ないか」を、電卓で出すだけです。

なぜこれが重要かというと、地方民泊は「繁忙期は取れても、閑散期が弱い」ことが多いからです。
最初に損益分岐(赤字が止まるライン)を決めておけば、次の判断ができるようになります。

  • そもそも住宅宿泊事業(年間180日)の枠内で成立するのか
  • 成立しないなら、単価・投資額・運営体制を変えるのか
  • それでも足りないなら、簡易宿所(旅館業)まで含めて考えるのか

ステップ1:毎月、絶対に出ていくお金を考える

まず、お客さんがゼロでも毎月必ず支払わなければならないお金を合計します。これが「固定費」です。

これを把握していないと、戦う相手の強さを知らずに戦場に出るのと同じです。

  • 主な固定費の例:
    • 物件購入のローン返済額(または家賃)
    • 固定資産税(月割計算)
    • 火災保険料(月割計算)
    • Wi-Fiなどの通信費
    • 電気・ガス・水道の基本料金
    • 将来のための修繕積立金(月1〜2万円は見ておきたい)

【事例でイメージ】

水戸市郊外の一戸建て。ローン、税金、保険、通信費などを合わせて、毎月「12万2千円」が絶対に出ていくと仮定します。

→ これが倒すべき「敵のHP(体力)」です。

ステップ2:1泊売れたら、手元にいくら残る?

次に、1泊予約が入ったときに、あなたの手元に「実質いくら残るか」を計算します。

宿泊料金がそのまま利益になるわけではありません。予約が入るたびにかかる費用(変動費)を引く必要があります。

  • 予約が入るたびにかかる費用の例:
    • 予約サイトへの手数料(売上の10〜15%程度)
    • 清掃費(外注する場合)
    • リネン(シーツ・タオル)のクリーニング代
    • シャンプー、洗剤などの消耗品代
    • お客さんが使った分の水道光熱費

【事例でイメージ】

1泊の料金を「12,000円」に設定したとします。

パターンA:清掃を外注する場合(楽だがお金がかかる)

  • 予約サイト手数料(10%仮定):1,200円
  • 消耗品・光熱費など:約1,200円
  • 清掃外注費(1回で2泊分掃除すると仮定して1泊あたり換算):5,000円
  • 出ていくお金の合計:7,400円

12,000円(宿泊費)- 7,400円(経費)= 4,600円

→ これが、パターンAの「1泊あたりの手残り」です。

ステップ3:何泊すればトントンになる?

さあ、最後の割り算です。

「毎月の固定費」を、「1泊の手残り」で割ります。

これで算出されるのが、赤字にならないための最低ライン、いわゆる「損益分岐点」です。

【パターンA(清掃外注)で計算】

122,000円(毎月の固定費) ÷ 4,600円(1泊の手残り) = 約26.5泊

計算結果の衝撃:

毎月、最低でも「約27泊」予約が埋まらないと赤字になります。

ここで、前に触れた「180日ルール」の壁が立ちはだかります。

住宅宿泊事業(民泊新法)では、年間180日までしか営業できません。平均すると「月15泊」が上限です。

  • 必要な泊数:月27泊
  • 制度の上限:月15泊

…お分かりでしょうか?

この計画は、「制度上、どうやっても黒字にならない設計」になってしまっているのです。気合いでカバーできる問題ではありません。

ステップ4:「自分の手間賃」を忘れない

「じゃあ、清掃を自分でやれば経費が浮くから大丈夫でしょ?」

そう思いますよね。計算してみましょう。

【パターンB(全部自分でやる)で計算】

清掃外注費5,000円がかからないので、

  • 1泊の手残りは?:12,000円 -(手数料など2,400円)= 9,600円
  • 損益分岐点は?:122,000円 ÷ 9,600円 = 約12.7泊

「お!月13泊くらいなら、180日ルールの範囲内(月15泊)だし、いけるじゃん!」

数字上はそう見えます。しかし、ここには重大な見落としがあります。

「あなたの労働時間は、タダですか?」

掃除、洗濯、メール対応、鍵の受け渡し…。これらに費やす時間を時給換算してみてください。

もし1泊あたり3,000円分の手間がかかっているとしたら、実質的な手残りは「9,600円 - 3,000円 = 6,600円」しかありません。

これを元に再計算すると、損益分岐点は「約18.5泊」。

結局、180日ルールの上限(月15泊)を超えてしまい、「働いても働いても楽にならない」という状態に陥ります。

ここまでの計算を、一目で分かる表にしました。

項目パターンA:清掃外注パターンB:完全自主管理
1泊の手残り4,600円9,600円
赤字にならない泊数
(損益分岐点)
月 27泊 必要月 13泊 必要
180日ルールの壁
(月平均15泊)
【制度上不可能】
絶対赤字になる設計
ギリギリ可能
(ただし閑산期は危険)
自分の手間賃
考慮したら?
実質は 月19泊 必要
【制度上不可能】
結論構造的に破綻している「タダ働き地獄」になりやすい

脅すわけではありませんが、これが現実です。

続く民泊は、この計算を最初に行い、「180日では無理だ」と分かった時点で、次のような対策をとっています。

  • 単価をもっと上げられないか?(付加価値をつける)
  • 固定費をもっと削れないか?(DIYで修繕など)
  • そもそも「旅館業」の許可を取って、365日営業できるようにするか?

数字は嘘をつきません。まずは電卓を叩いて、現実を直視することから始めましょう。

地方のハンデを逆手に取る「3つの勝ちパターン」

シミュレーションで見た通り、地方民泊が「都会の真似(駅近・少人数・高回転)」をしようとすると、180日ルールの壁に阻まれてジリ貧になります。

では、どうすればいいのでしょうか?

答えはシンプルです。都会が捨てている需要を拾うことです。

地方には「駅からは遠いけれど、車なら便利」「土地と家が広い」という特徴があります。これをハンデではなく武器に変える、具体的な3つの戦略を紹介します。

戦略1:「ホテルでは不便な人たち」を狙い撃つ(グループ・ファミリー特化)

地方のビジネスホテルは「1人1室」が基本で、駐車場も有料・狭いことが多いです。ここに大きな隙があります。

例えば、3世代家族の旅行や、友人家族2組での旅行を想像してください。ホテルだと部屋がバラバラになり、夜に集まって飲む場所もありません。駐車場代もバカになりません。

【勝ち筋のシナリオ】

彼らにとって、あなたの民泊は「ただの宿泊場所」ではありません。

「車2〜3台を無料で停められて、子どもが騒いでも隣室を気にせず、夜は広いリビングで大人たちがゆっくり飲める」というかけがえのない体験を提供できる場所になります。

  • 「だから」何をするか?(投資のメリハリ)
    • おしゃれな壁紙よりも、まずは「駐車場の停めやすさ(白線・看板)」「全員が快適に寝られる寝具の数」にお金をかけます。
    • 1泊の単価を3万〜5万円と高く設定しても、「3家族で割ればホテルより安いし快適」と感じてもらえれば選ばれます。これで少ない稼働日数でも利益が出る体質を目指します。

戦略2:「暮らすように泊まりたい」需要を囲い込む(中長期・ワーケーション)

都会の狭いマンション暮らしに疲れた層や、一定期間集中して仕事や創作をしたい層にとって、地方の広い一軒家は魅力的です。

この層を捕まえると、1回の予約で1週間〜1ヶ月が埋まるため、運営の手間が激減し、経営が安定します。

【勝ち筋のシナリオ】

彼らが求めているのは「非日常の豪華さ」ではなく、「ストレスのない日常生活」です。

  • 「だから」何をするか?(投資のメリハリ)
    • 最優先は「高速で安定したWi-Fi」と「まともに料理ができるキッチン器具」です。
    • 盲点になりがちなのが「洗濯物を干すスペース」です。長期滞在ではここが快適でないとリピートしません。「ここで1ヶ月暮らせるか?」という視点で設備を整えます。

戦略3:「平日・団体需要」を逃さない(工事・スポーツ・イベント)

これは水戸・ひたちなか周辺などで特に有効な戦略です。

観光地ではありませんが、工業団地の定期修繕、大規模なスポーツ大会、音楽フェス、イベント設営などで、「まとまった人数で平日に泊まりたい」という強い需要があります。

【勝ち筋のシナリオ】

彼らは観光客ではありません。「仕事の疲れを癒やし、翌朝スムーズに出発できる拠点」を求めています。ここを確実に押さえると、民泊の弱点である「平日の稼働率」が劇的に改善します。

  • 「だから」何をするか?(投資のメリハリ)
    • 大型の作業バン(ハイエース等)が複数台停められる駐車スペースを確保します。
    • 仕事終わりの遅いチェックインでも迷わない「分かりやすい鍵の受け渡し方法(スマートロック等)」を導入します。
    • 「男性6人が雑魚寝」ではなく、それぞれがしっかり休める寝室の配置を考えます。

「誰でもどうぞ」は「誰も来ない」

これら3つの戦略すべてに対応する必要はありません。むしろ、どれか一つに絞るべきです。

第3章で見た厳しい数字を乗り越えるには、「なんとなく始めて、来た人を泊める」という受け身の姿勢では不可能です。

「うちは、車で来る3世代ファミリーが、日本一くつろげる宿にする」

「うちは、出張工事のチームが、来年も必ず指名してくれる宿にする」

このように「誰の、どんな不便を解消する宿か」を決め打ちすることで初めて、写真・設備・説明文に一貫性が生まれ、選ばれる民泊になります。

始める前に確認したい10の質問

ここまで読んで、「よし、やってみよう」と思った方も、「ちょっと怖いな」と思った方もいるでしょう。 その感覚を確信に変えるために、最後の「診断」を行います。

単なるチェックリストではありません。
答えの内容によって「次に取るべき行動」と「選ぶべき制度」が変わるように作っています。

まず最初に、結果の見方を決めます。
各質問は、あなたの状況に応じて次の3つに色分けしてください。

  • 青(OK):概ね見通しが立っている/根拠を説明できる
  • 黄(注意):まだ不確定だが、確認すれば埋められる
  • 赤(危険):現時点で見通しが立たない/詰まりやすい論点

そして、最後にこのルールで判定します。

判定ルール

  • 赤が0〜1個 → 住宅宿泊事業(民泊新法)での設計を進める余地が高い
  • 赤が2〜3個 → 先に「赤の潰し込み」が必要。制度は民泊新法と旅館業の両睨み
  • 赤が4個以上 → 今すぐ投資は危険。制度選択以前に前提整理が必要(見送り含む)

カテゴリ① 市場・需要(外部)【4問】

Q1. そのエリアの来訪目的は何だと思いますか?(観光/帰省/仕事/大会/工事など)

答え方のコツ
「なんとなく観光地」では弱いです。最低でも2〜3種類は言語化したいところです。

  • :目的が2つ以上あり、季節や曜日の偏りも説明できる
  • :目的は想像できるが、根拠が弱い
  • :そもそも何の目的地か説明できない

次にやること(赤・黄の人)
宿泊予約サイトで周辺の口コミを20件読むだけでも、目的は見えてきます。

Q2. 繁忙期と閑散期はいつですか?

地方民泊でここが最重要です。
繁忙期の売上で判断すると、だいたい3年以内にしんどくなります。

  • :繁忙期/閑散期が明確で、平日と週末の差も把握している
  • :繁忙期は分かるが、閑散期のイメージが曖昧
  • :年間の波を全くイメージできない

次にやること
Googleでイベントカレンダー+周辺施設(スタジアム、工業団地等)の予定をチェックします。

Q3. 近くのホテル・旅館の価格帯と稼働感は把握していますか?

答え方のコツ
「価格帯(いくらが相場か)」が分かっていないと、単価設定が空中戦になります。

  • :同条件(人数・曜日)の価格帯を3つ以上見ている
  • :見たが比較が浅い
  • :見ていない/相場が分からない

次にやること
「自分の宿の定員で泊まると仮定して」比較します。

Q4. 年間を通じて人を呼ぶ“定期需要”はありますか?

例:スポーツ大会、企業研修、工業団地、病院、大学、工事需要など。
地方都市型(水戸・ひたちなか等)では、平日のビジネス需要が180日枠を埋める鍵になります。

  • :平日需要の候補が具体的に挙げられる
  • :ありそうだが確証がない
  • :平日需要のイメージがない

次にやること
周辺の「工業団地」「病院」「大会会場」などを地図で洗い出します。

カテゴリ② 物件・運営(内部)【4問】

Q5. 物件の“売りどころ”は一言で言えますか?

例:「複数台駐車」「家族で泊まれる広さ」「長期向け設備」「夜遅く着いても楽」など。

  • :誰に刺さるかまで言える
  • :強みはあるが、ターゲットが曖昧
  • :強みが言語化できない(=差別化がない)

次にやること
前述の「3つの価値パターン」のどれに最も合うかを1つ選びます。

Q6. 清掃・リネン・鍵の受け渡しは「誰が」「どこまで」やりますか?

ここが曖昧だと、運営開始後に苦しみます。
地方は「外注すれば解決」とは限らず、そもそも業者がいないこともあります。

  • :自主管理/一部外注/委託のどれか決めている(代替案もある)
  • :方向性はあるが、実際の担い手が未確定
  • :何も決まっていない/外注前提だが当てがない

次にやること
外注候補を“今”探します。見つからないなら、設計(制度・単価・連泊)を変える必要が出ます。

Q7. 近隣配慮(騒音・駐車・ゴミ)の運用ルールを具体化できますか?

民泊は近隣トラブルで終わることがあります。
「書けばOK」ではなく「守らせる導線」が必要です。

  • :ルールを短く書けて、違反時の対応も決めている
  • :ルールは作れるが、運用が曖昧
  • :考えていない

次にやること
宿泊者に“最初の1回で伝わる”短いルールにします。

Q8. 「自分が動けない日」でも運営が回る設計ですか?

体調不良、家族行事、繁忙期の連続稼働。ここで崩れます。

  • :代替要員/代替手段がある(外注・家族・ツール等)
  • :工夫すれば回りそう
  • :完全に自分依存

次にやること
自分の手間賃も計算に入れて、成立するか再計算します。

カテゴリ③ 数字・制度(判断)【2問】

Q9. 固定費と損益分岐は出せていますか?

ここが出せないまま投資すると運営が厳しくなります。

  • :現金ベースと手間賃込みの両方で出している
  • :現金ベースだけ出した
  • :出していない/出せない

次にやること
まず現金ベースでOKなので、数字を出します。出せないなら先に支出の棚卸しからです。

Q10. 制度選択(民泊新法/旅館業等)で「最大稼働日数」と「必要設備」がどう変わるか把握していますか?

住宅宿泊事業は180日上限があり、条例でさらに制限される場合があります。
一方、旅館業(簡易宿所)はハードルが上がる場合がある反面、365日営業できれば「外注ありきの健全経営」が可能になることがあります。

  • :自分の地域での制限・必要手続きの当たりがついている
  • :制度名は知っているが差が曖昧
  • :何も分からない

次にやること
自治体HPで、届出・書類・相談先を確認します。

チェック結果を踏まえ「次に何をするか」

ここまで色分けしたら、最後に結論を出します。

A:民泊新法(180日)で進める

  • 赤が0〜1個
  • 損益分岐が月15泊以内に収まり、手間賃込みでも「やる意味」が残る
  • 平日需要 or 連泊需要のどちらかが見込める

B:旅館業(簡易宿所)も含めて比較する

  • 赤が2〜3個(特にQ6/Q9/Q10が赤)
  • 外注前提だが180日だと損益分岐に届かない
  • 180日を超えないと「外注ありきで健全に回らない」

C:いったん見送り/投資額を落として再設計

  • 赤が4個以上
  • 需要も運営も数字も見通しが立たない
  • 家族・近隣面の赤が複数ある

民泊は「きちんと事業」になる

行政手続きだけを片付けても、数字と運営が揃わないと続きません
一方で、「許可の見通し」「損益分岐ライン」「運営体制」を開業前に整理できれば、民泊は十分に“事業”として成り立ちます。

180日枠をどう扱うかで「制度選択」が決まります

大事なのは、次のどちらで勝つかを決めることです。

  • A:180日以内で成立させる(民泊新法を選択する)
    客層・単価・運営・手間賃を織り込み、180日以内でも“意味のある利益”が出る設計にします。
  • B:180日では足りないなら、旅館業(簡易宿所)を検討する
    旅館業は、用途地域・消防設備などのハードルが上がる場合があります。
    ただし、その分 365日営業が可能になれば、先ほどの表で示した「外注ありきでも健全に回す」という設計が現実味を帯びます。
    「180日では構造的に足りない」という結論が出たとき、旅館業(簡易宿所)は十分に検討価値があります。

無料相談のご案内

茨城県内で民泊・簡易宿所を検討している方向けに、開業前の整理をお手伝いしています。
30分の無料相談では、次のような初期整理が可能です。

  • 制度選択の方向性(住宅宿泊事業か、旅館業も視野に入れるか)の初期整理
  • ざっくり損益分岐ラインの確認
  • 次に確認すべき役所・手続きの順番(手戻り防止)

相談前にあると助かるもの

  • 物件の場所(町名程度で大丈夫です)
  • 間取りや写真(あれば)
  • リフォーム予算の概算(未確定でもOKです)
  • 運営イメージ(自分で回す/一部外注/管理委託寄り)

「まだ構想段階でふわっとしている」状態でも大丈夫です。むしろ、ふわっとしているうちに整理した方が、手戻りが減ります。

お問い合わせ

ご相談は、どんな段階でも大丈夫です。
「手続きの流れを知りたい」「自分のケースで進められるか確認したい」「期限までに間に合うかだけ聞きたい」といった内容だけでもお気軽にお知らせください。

つむぎ行政書士事務所では、茨城県全域(水戸市・ひたちなか市・県央エリアを中心に、つくば・土浦など県南エリア、日立など県北エリアも含めて対応)で、建設業許可・産業廃棄物収集運搬業許可などの許認可申請、創業支援、補助金・経営相談をお手伝いしています。

内容をうかがった上で、「対応可能か」「どのように進めるか」「おおまかな費用感」をご案内いたします。
この時点では正式なご依頼(契約)にはなりませんのでご安心ください。
初回のご相談は無料です。

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