茨城県で将来需要が見込まれる建設業許可上位10業種は

「これから建設業を始めたいが、どの業種が伸びそうなのか知りたい」
「すでに建設業許可はあるけれど、業種追加をするならどこを狙うべきか悩んでいる」

そんな方に向けて、この記事では茨城県に特化して、将来需要が見込まれる建設業許可29業種のうち上位10業種をまとめました。

以前の記事では「全国的な需要トレンド」を整理しましたが、今回は

  • 茨城県のインフラ整備計画
  • 産業団地の開発
  • 空き家・リフォーム・再エネ・省エネ政策

といった地域固有の動きをもとに、「茨城ならでは」のランキングにしています。

こんな方におすすめの記事です

  • 茨城県内でこれから建設業許可を取りたいと考えている方
  • すでに建設業を営んでいて、業種追加や事業の方向性を検討中の経営者の方
  • 「解体」「電気」「管工事」など、どの業種の将来性が高いか知っておきたい
  • インフラ・再エネ・空き家対策など、行政の動きと建設需要の関係を把握しておきたい

将来性の高い業種を知ることは、「一発逆転の正解」を当てるというより、限られた時間とお金をどこに集中させるかを決める材料になります。
その意味で、この記事は「経営判断のヒント」として使っていただければうれしいです。

目次

茨城県の建設需要を押し上げる4つの要因

ランキングに入る前に、「そもそも何が茨城の建設需要を押し上げているのか」をざっくり整理しておきます。

① 高速道路などのインフラ整備

といった幹線道路・IC周辺開発が続いています。
これに伴い、舗装工事・造園工事・周辺道路整備・商業施設や工場建設など、派生需要も広く波及します。

② 産業団地・工業団地の拡張

工業団地には、工場本体+インフラ+周辺環境整備がセットで必要になります。
電気・管・電気通信・舗装・造園・内装仕上など、今回のランキング上位業種と非常に相性が良い領域です。

③ 空き家対策と老朽施設の更新

  • 改正空家法による行政措置の強化
  • 県内30以上の市町村による空き家バンク・解体補助制度
  • 老朽化した水道施設・公共施設の更新・耐震化

これが解体工事・水道施設工事・防水工事・内装仕上工事などの需要を底支えしています。

④ 再エネ・省エネ・脱炭素政策

これにより、電気工事・電気通信工事・熱絶縁工事・管工事といった「設備系の専門工事」の重要性が増しています。

茨城県で将来需要が見込まれる建設業許可:上位10業種一覧

まずは一覧で全体像をつかんでおきましょう。

順位業種名主な需要の源泉特に効いてくる分野
1位解体工事業空き家対策、老朽建物解体、産廃最終処分場稼働空き家・相続物件、公共施設更新
2位電気工事業太陽光・蓄電池・EV充電、工場・商業施設の設備再エネ、EVインフラ、工業団地の新設
3位電気通信工事業5G・ローカル5G、データセンター、工場のIoT化産業団地の通信インフラ、スマート化
4位水道施設工事業広域水道連携、老朽管更新、耐震化上下水道更新、大規模土木とセットの工事
5位防水工事業マンション大規模修繕、耐震改修に伴う防水共同住宅ストック、公共施設の長寿命化
6位管工事業空調・給排水設備更新、工場の配管工業団地の設備更新、下水道整備
7位内装仕上工事業住宅リフォーム、オフィス・工場内装空き家活用、テレワーク対応リノベ
8位造園工事業都市公園整備、グリーンインフラ道路周辺整備、公共施設の外構
9位舗装工事業高速道路・幹線道路整備、維持・補修東関東道水戸線、つくばみらいスマートIC周辺
10位熱絶縁工事業省エネ法改正に伴う断熱義務化、工場の省エネ化非住宅建物の省エネ改修、工業施設の断熱

ここからは、それぞれの業種について
「なぜ伸びるのか」「どんな事業者に向いているか」「許可を取るときの視点」を順番に見ていきます。

各業種のポイントと「どんな事業者に向いているか」

1位:解体工事業 ― 空き家・老朽施設の更新が長期テーマ

茨城県では、空き家の増加と改正空家法に伴う行政対応の強化により、解体需要が今後も長期的に続くと見込まれます。
日立市笠間市などの自治体では解体補助制度が運用されており、自治体主導の案件も多くなっています。

さらに、

など、「壊してから次をつくる」系の仕事が途切れにくい環境です。

向いている事業者イメージ

  • すでに土木工事やとび・土工をやっていて、解体ニーズの相談を受けることが増えている会社
  • 産業廃棄物収集運搬業をあわせて取得して、解体~運搬まで一貫対応したい事業者
  • 空き家・相続案件に強い不動産業者と組んで、継続的に仕事を確保したい方

解体工事は安全管理・近隣対応・廃棄物処理のルールなど、実務的なハードルは高めですが、
その分参入すれば強みを作りやすい分野でもあります。

2位:電気工事業 ― 再エネとEVが押し上げる「設備の柱」

電気工事は、再エネ・省エネ・EVなどエネルギー転換の中心にいる業種です。

茨城県では、

  • 太陽光発電施設の適正導入ガイドライン改定(2024年4月)
  • 工業団地や商業施設でのEV充電設備の整備
  • 既存建物への後付け太陽光・蓄電池・EVコンセント など

が進んでおり、住宅・工場・公共施設のどこを見ても電気工事の出番があります。

向いている事業者イメージ

  • すでに電気工事士が在籍しており、元請けとして許可を取りたい会社
  • 太陽光・蓄電池販売を行っていて、工事部分まで自社で抱えたい事業者
  • EV充電器設置や省エネ改修をパッケージで提案したい方

将来の入札参加や大きな案件を狙うなら、建設業許可の電気工事業はかなり重要なベースライセンスになります。

3位:電気通信工事業 ― 5G・IoT・スマート工場を支える裏方

5G人口カバー率が98%超となる中で、工場・オフィス・物流倉庫などの通信インフラ整備が加速しています。

茨城県では、

  • つくばみらいスマートIC周辺の開発
  • 常陸那珂・日立・常総などの産業団地における企業立地
  • 工場のIoT化・監視カメラ・ネットワーク設備の需要

があり、「電気通信工事業」は“見えにくいけれど確実に増えている仕事”です。

向いている事業者イメージ

  • 弱電・LAN工事・通信設備工事を継続的に行っている会社
  • 電気工事業と併せて、ワンストップで設備を整えたい事業者
  • オフィス移転・工場新設に伴うネットワーク構築を強みにしたい会社

電気工事業とセットで持っていると、
「電気+通信+設備」をまとめて任せてもらえる体制が整いやすくなります。

4位:水道施設工事業 ― 広域連携と老朽管更新で大型案件が続く

茨城県では、水道事業の広域連携方針に基づき、水道施設の効率的運用、経営面でのスケールメリットの創出、人材の確保などを可能とするため古河市・筑西市・石岡市・笠間市などを含む21市町村が広域統合に向けた基本協定を締結しています。

背景として、

  • 水道管延長の約4分の1超が法定耐用年数を経過
  • 地震リスクを踏まえた耐震化・更新の必要性
  • 浄水場の統廃合に伴う新規配管・大規模土木工事

などがあり、人材不足が課題ではあるものの中長期で安定した需要が見込まれる分野です。

向いている事業者イメージ

  • 既に上下水道工事を長年受注している土木系の会社
  • 管工事業・土木一式工事業とのシナジーを狙いたい事業者
  • 公共工事に強く、入札で水道関連工事を積極的に取りたい会社

技術・実績のハードルは高めですが、その分単価も大きく、地域インフラを支えるやりがいのある領域です。

5位:防水工事業 ― ストック型社会で「減りにくい」仕事

防水工事は、建物ストックが増えるほど、安定して必要になるメンテナンス分野です。

茨城県内でも、

  • マンション・共同住宅の大規模修繕
  • 公共施設の長寿命化計画
  • 東日本大震災後の耐震改修に伴う防水工事の継続

といった案件があり、景気に左右されにくい需要が期待できます。

向いている事業者イメージ

  • すでに塗装やリフォームを行っていて、防水工事の依頼もよく来る会社
  • マンション管理会社や不動産管理会社との関係性を築ける事業者
  • 「屋上防水+外壁改修+シーリング」など、セット提案で単価を上げていきたい方

内装やリフォームと組み合わせることで、トータルメンテナンス業者としてのポジションも狙えます。

6位:管工事業 ― 工場・住宅・公共施設すべてに関わる“見えないインフラ”

管工事業は、給排水、空調、ガス、産業用配管など、あらゆる建物の“内部血管”をつくる仕事です。

茨城県では、

  • 工業団地の新設・拡張に伴う工場の生産設備配管
  • 省エネ空調・給排水設備の更新需要
  • 下水道広域化に伴う配管整備

などから、設備更新+新設の両面で需要が続くと考えられます。

向いている事業者イメージ

  • すでに設備工事を多く手がけている設備会社
  • 水道施設工事業・機械器具設置工事業と組み合わせて、工場の設備一式を請け負いたい事業者
  • ハウスメーカーや工務店の指定業者ポジションを狙いたい会社

技術者をどう確保するかが一番のボトルネックですが、
逆に言えば人材を育てられる会社にとっては参入価値の高い分野です。

7位:内装仕上工事業 ― リフォームとオフィス・工場の改装需要

内装仕上工事は、住宅リフォームや店舗・事務所の改装を支える業種です。

茨城県では、

  • 建売住宅のリフォーム・リノベーション需要の本格化
  • 工業団地立地企業のオフィス・工場内装整備
  • 空き家活用(賃貸住宅・シェアハウス・事務所転用など)

といった動きがあり、「新築だけに依存しない内装需要」が増えています。

向いている事業者イメージ

  • クロス・床・軽鉄・ボードなどの職人さんがすでにいる会社
  • 工務店・不動産業者・管理会社から、内装相談を日常的に受けている事業者
  • 補助金を活用した店舗改装・オフィス環境改善などを提案したい方

解体・防水・電気などと組み合わせて、「ワンストップリノベ」を売りにするのも一つの戦略です。

8位:造園工事業 ― グリーンインフラと道路周辺整備の追い風

造園工事は、

  • 公園整備・再整備
  • 学校・公共施設周辺の緑地整備
  • 高速道路・幹線道路ののり面・植栽・街路樹管理

など、公共案件との相性が非常に良い業種です。

茨城県では、都市緑化やグリーンインフラの推進に加え、
東関東自動車道水戸線の整備に伴う周辺整備需要も期待されています。

向いている事業者イメージ

  • すでに造園業登録で小規模に仕事をしているが、入札や大きめの案件に広げたい事業者
  • 造園だけでなく、外構・エクステリア・土木と組み合わせて提案している会社
  • 行政・学校・病院など、公共性の高い顧客との関係性を大事にできる方

地域密着でじわじわと仕事を増やしていきたい会社には、特に相性の良い領域です。

9位:舗装工事業 ― 高度な機械と技術が強みになる分野

舗装工事業は、

  • 高速道路・幹線道路整備
  • IC周辺・主要交差点の改良
  • 維持補修・バリアフリー対応

など、道路に関するあらゆる工事が対象です。

東関東自動車道水戸線や、常磐道つくばみらいスマートIC周辺整備など、
今後も大規模道路工事が続く見込みで、一定以上の規模と技術力を持つ会社にチャンスがあります。

向いている事業者イメージ

  • すでに舗装機械や熟練オペレーターを抱えている会社
  • 土木一式工事業と合わせて、道路工事をトータルで受けたい事業者
  • 維持補修・冬季の道路管理など、行政と長期的に付き合っていきたい会社

参入ハードルは高いですが、そのぶん競合も限られやすい業種です。

10位:熱絶縁工事業 ― 省エネ法改正でこれから一気に注目される可能性

熱絶縁工事業は、配管やダクト、冷凍・冷蔵設備などに断熱材を施工する業種です。
2025年の省エネ法改正により、非住宅建物の断熱義務が拡大していく流れの中で、設備系の省エネ改修には欠かせない存在になります。

茨城県のように工業団地が多い地域では、

  • 工場の熱損失対策
  • 冷凍・冷蔵倉庫の断熱性能向上
  • 空調ダクトの断熱改修

など、「省エネ×コスト削減」をテーマにした提案がしやすい分野です。

向いている事業者イメージ

  • すでに管工事や設備工事を行っている会社で、断熱まで自社で対応したい事業者
  • 省エネ診断士・中小企業診断士・設備設計者などと連携し、補助金を活用した省エネ改修をパッケージで売りたい方
  • ニッチでも良いから、専門性の高い分野で強みを持ちたい会社

現時点では許可業者の数も多くないため、
「今のうちから育てておくと、数年後に効いてくる」タイプの業種と言えます。

業種選びのポイント:将来性+自社の強み+人材・設備

ここまで「需要サイド」の話をしてきましたが、
実際にどの業種の許可を取るか考えるときには、次の3点を一緒に見ておくとバランスが取りやすいです。

  1. 市場・政策の将来性
    • 今回のようなランキングで「追い風」が吹いているか
    • 国や茨城県の計画・補助金などと噛み合うか
  2. 自社の強み・これまでの実績
    • すでに得意な工事内容との相性
    • 過去の工事実績から、許可要件を満たしやすいか
  3. 人材・設備・資金面の現実性
    • 専任技術者や現場管理が確保できるか
    • 必要な機械や設備への投資に耐えられるか
    • 経理的基礎(財務体力)が足りているか

「将来性ランキング1位だから、とりあえず解体業をやろう」ではなく、
“自社にとっての1~2位”を決める感覚で見ていただくのが現実的です。

茨城県で建設業許可・業種追加を考えるときに準備しておきたいこと

最後に、この記事を読んだあとに具体的に動くとしたら何をするかを整理しておきます。

① 気になる業種の「実務中身」を確認する

  • 実際にどんな工事が多いのか
  • どのくらいの規模感の案件が中心なのか
  • 安全管理・法令遵守で特に注意すべきポイントはどこか

このあたりを把握しておくと、「思っていたのと違った」ギャップを避けやすくなります。
近い業種の知り合いがいれば、ざっくばらんに話を聞くのもかなり有効です。

② 許可要件を満たせるかをざっくりチェック

  • 過去の工事実績(請負契約書や注文書など)が揃えられそうか
  • 専任技術者になれる人(資格 or 実務経験)がいるか
  • 決算書の内容が大きなネックにならないか

「業種としてはやりたいけれど、すぐには要件を満たせない」ケースもあります。
その場合でも、2~3年後を見据えて準備を始める価値は十分あります。

③ 茨城県のインフラ・産業団地の計画も一緒に見ておく

今回ご紹介したインフラ・産業団地の動きは、
どの地域で・どのタイミングで・どんな工事が増えやすいかを考えるヒントになります。

  • 東関東自動車道水戸線沿線での造園・舗装・外構
  • 常陸那珂工業団地周辺での電気・管・電気通信・熱絶縁
  • 水道広域連携エリアでの水道施設工事 など

「地図を眺めながら、自社の拠点から動きやすいエリア」をイメージしておくと、
営業先を絞り込むときにも役立ちます。

まとめ:茨城で伸びる業種に、少し早めにポジションを取る

茨城県の建設業は、

  • 高速道路やICなどのインフラ整備
  • 工業団地の拡張と産業立地
  • 空き家対策・老朽インフラ更新
  • 再エネ・省エネといったエネルギー転換

といった流れの中で、29業種の中でも特に需要が伸びやすい分野が見えてきています。

その中でも今回ご紹介した

解体/電気/電気通信/水道施設/防水/管/内装仕上/造園/舗装/熱絶縁

は、茨城県の政策・地理・産業構造と相性が良く、
「今から動いておくと数年後に効いてくる」業種と言ってよいと思います。

もちろん、最終的な答えは「統計的なランキング」ではなく、
あなたの会社の強み・価値観・守りたい生活の中から出てくるものです。

この記事が、その答えを考えるための一つの地図になればうれしいです。

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