<創業・スタートアップ経営基礎講座>第12回「人を雇う」

人を雇う
目次

1. はじめに

創業からしばらく経つと、こんな声をよく耳にします。
「ひとりでやってきたけど、そろそろ限界かもしれない」
「仕事は増えているのに、休む時間がない」

事業が順調に回り始めた証でもありますが、その先に見えてくるのが「人を雇う」という選択です。
自分以外の力を借りることで、仕事の幅が広がり、お客様への対応も安定します。
しかし同時に、給与の支払い・社会保険の加入・労務管理といった新しい責任も生まれます。

「人を雇う」と聞くと、構えてしまう方も多いでしょう。
けれど、実際には“ひとりでは抱えきれなくなった仕事を分かち合う仕組み”にすぎません。
パートやアルバイトから始める方法もありますし、外注・業務委託という形もあります。

大切なのは、自分の事業に合った関わり方を見極めることです。
雇うことは、単に人手を増やす行為ではなく、事業の形そのものを変える一歩でもあります。
だからこそ、勢いではなく準備が必要です。

前回のテーマ「営業・売上づくり」でお話ししたように、売上が安定してきた段階で次に課題になるのは「どうやって仕事を回すか」。
今回の記事では、その次のステップとして、初めての雇用を検討する際に知っておきたい基本の流れと注意点を整理します。


本記事は、中小企業診断士兼行政書士が解説する
やりたい!をカタチにする 創業・スタートアップ経営基礎講座』の第12回です。
シリーズを通して読むことで、創業から経営の基礎までを体系的に学べます。

2. 雇用の前に考えるべきこと

「人を雇おうかな」と思ったとき、まず確認したいのは――
“本当に雇用が必要か” という点です。

たとえば、単純に人手が足りないだけなら、外注や業務委託で解決できる場合もあります。
記帳やデザイン、チラシ作成など、専門的な作業は外部に任せた方が効率的なことも多いです。
一方で、毎日のように発生する定型業務や顧客対応などは、社内で継続的に任せられる人がいた方が安定します。

つまり、「どんな仕事を、どの頻度で、どんな責任で任せたいのか」を整理することが出発点になります。
ここが曖昧なまま採用を進めると、雇ったあとに“仕事を作るために雇ってしまった”という逆転現象が起きかねません。


雇用コストの全体像を把握する

雇用を決める前に、「1人を雇うといくらかかるのか」をしっかり把握しておくことも大切です。
給与だけでなく、会社(事業主)が負担する社会保険料や労働保険料も加わります。

ざっくりとした目安ですが、

  • 社会保険料・労働保険料を合わせて、給与の約15〜20%程度が追加負担になる
  • 賞与を出す場合、その分にも保険料がかかる
    と考えておくと現実的です。

また、雇用すれば給与計算や年末調整、源泉徴収などの事務も発生します。
会計ソフトや社労士への外注費用も見込みに入れておくと安心です。


雇用以外の選択肢も検討する

「人を雇う」といっても、いきなり正社員を採用する必要はありません。
事業の規模や仕事内容に応じて、いくつかの関わり方があります。

まず、業務委託契約という形があります。
これは成果物や業務内容ごとに契約を交わし、報酬を支払う方式です。
働く時間や場所を拘束しないため、デザイナーやライターなど専門的な外注に向いています。

次に、パート・アルバイトです。
一定の時間働いてもらう雇用形態で、勤務時間を柔軟に調整できるのが特徴です。
繁忙期のサポートや、事務・接客などの定型業務に適しています。

そして、正社員
長期的に雇用し、社会保険へ加入するなど責任ある関係を築く形です。
今後の事業の中核を担ってもらいたい人材を迎える場合に選ばれます。

それぞれの形態にはメリットと負担のバランスがあります。
次の表で整理してみましょう。

形態特徴向いているケース
業務委託成果物単位で契約、時間拘束なしデザイン・ライティングなど専門業務
パート・アルバイト時間単位で勤務、柔軟な雇用接客・事務など定型業務
正社員長期雇用を前提、社会保険加入将来的に中核を担ってほしい業務

どの形が正解というわけではありません。
「どこまで自分で抱え、どこから人に任せるか」を見極めることが、最初の判断軸になります。


任せる仕事を言葉にしてみる

採用前の準備として、

  • 1日のスケジュールのうち、誰かに任せたい作業はどれか
  • その作業に必要なスキル・経験は何か
  • その人が加わったことで、どんな効果を期待しているか

これを紙に書き出してみると、頭が整理されます。
単純な「作業時間の削減」ではなく、自分が本来やるべき仕事に集中できる状態を作る――それが雇用の目的です。


3. 採用の流れ

人を雇うことを決めたら、次は「どんな人を、どんな手順で迎えるか」を考えます。
採用は勢いで進めると失敗しやすい部分でもあります。
特に初めての採用では、募集 → 面接 → 契約 のそれぞれの段階を、落ち着いて確認しておくことが大切です。


(1) 募集方法を決める

まずは「どこで人を探すか」です。
代表的な方法には、次のようなものがあります。

  • ハローワーク:無料で求人を出せる。地域密着型の募集に強い。
  • 求人サイト(Indeed、求人ボックスなど):応募者が多いが、有料プランも多い。
  • 知人・取引先からの紹介:信頼できるが、人間関係に配慮が必要。

小規模事業の場合、最初はハローワークでの募集が現実的です。
手続きは少し面倒ですが、サポートを受けながら進めることができます。

求人票を作る際は、仕事内容と条件をできるだけ具体的に書きましょう。
「誰でもできる仕事です」と書くより、
「現場でお客様とやりとりをする」「軽作業中心で体力を使う」といった具体的な表現の方がミスマッチを防げます。


(2) 面接・選考のポイント

面接では、「人柄」や「相性」を大切にしたいところです。
ただし、それだけで決めてしまうと、後々の業務トラブルにつながることもあります。

まず確認したいのは、

  • 求人内容を正しく理解しているか
  • 実際にどのくらいの時間・期間働けるか
  • どんな仕事を得意と感じているか

といった現実的な部分です。
とくに小さな事業所では、一人の働き方が全体に大きく影響します。
「この人なら安心して任せられるか」を具体的にイメージできるかが鍵になります。


面接時にしてはいけない質問の例

採用面接では、業務に直接関係のない個人情報を質問することは避けなければなりません。
厚生労働省の指針でも、次のような質問は「不適切」とされています。

質問内容理由・背景
本籍地や出身地に関する質問差別につながるおそれがあるため
家族構成・扶養家族・配偶者の有無家庭状況による採否判断は不当
結婚・出産・子どもの予定性別による不当な扱いの原因となる
宗教・支持政党・思想信条個人の自由であり、業務と無関係
健康状態・病歴(業務に支障がない範囲まで)プライバシー侵害につながる可能性
住居・持ち家・借家の別経済状況を推測する質問は不適切

こうした情報は、採用判断に必要な要素ではありません。
仮に応募者から自発的に話が出たとしても、採否の理由に含めることは避けるべきです。


(3) 採用後の手続きの準備

採用が決まったら、契約や労務手続きの準備に入ります。
実際に働き始める前に、

  • 雇用契約書または労働条件通知書の作成
  • 労働保険・社会保険の加入手続き
  • 給与支払い方法・締め日などの確認を済ませておくのが理想です。

とくに、社会保険や雇用保険の加入は「入社後すぐ」が原則です。
遅れると助成金の申請にも支障が出ることがあります。


採用の目的は、“人を増やすこと”ではなく、事業の質を上げることです。
少人数だからこそ、ひとりが加わる重みを感じながら丁寧に進めたいところです。


4. 雇用契約と労務手続き

採用が決まったら、まず行うのが雇用契約書(または労働条件通知書)の作成です。
これは、労働基準法第15条に基づき、労働条件を明示する義務があるものです。
書面で交わしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。


(1) 雇用契約書に盛り込むべき主な内容

法律上、必ず書面で明示しなければならない項目(絶対的明示事項)は次のとおりです。

項目内容の例
契約期間有期の場合は開始日と終了日を明記(更新の有無も)
就業の場所・従事する業務具体的な勤務先と仕事内容を記載
始業・終業の時刻、休憩・休日労働時間、残業の有無、休日の曜日など
賃金の決定・支払方法月給・時給などの形態、支払日、締切日
退職に関する事項自己都合・会社都合それぞれの手続きや通知期限

このほか、

  • 昇給・賞与の有無
  • 試用期間の扱い
  • 社会保険や通勤手当の有無
    などを任意的明示事項として記載しておくと、より安心です。

契約書は、事業主・従業員の双方が署名・押印し、1部ずつ保管するのが原則です。
口約束で始めてしまうと、のちに「言った・言わない」の争いになることが少なくありません。
最初の1人だからこそ、書面をきちんと整える習慣をつけておくと後が楽になります。


(2) 各種手続きの流れ

雇用契約を結んだら、次は保険関係の手続きを行います。
従業員を雇うと、事業主には「労働保険」と「社会保険」の加入義務が生じます。
これを怠ると罰則の対象になる場合もあるため、採用後すぐに着手しましょう。


① 労働保険(労災保険・雇用保険)

項目概要手続き先
労災保険業務中や通勤途中のケガ・事故を補償労働基準監督署
雇用保険従業員が失業したときの給付や育休給付金などハローワーク
  • 雇用保険は「週20時間以上・31日以上の雇用見込み」がある場合に加入義務が発生します。
  • 開業後初めて人を雇う場合は、「保険関係成立届」と「概算保険料申告書」を提出し、事業主として労働保険番号を取得します。

② 社会保険(健康保険・厚生年金)

項目概要手続き先
健康保険医療費の一部を給付(協会けんぽなど)年金事務所
厚生年金将来の年金給付・遺族年金など年金事務所
  • 法人は役員1人でも強制加入、個人事業主は常時5人以上の従業員(サービス業など除く)を雇うと加入義務が発生します。
  • 加入時には「新規適用届」と「被保険者資格取得届」を提出します。

③ その他の準備事項

  • 給与の支払い方法(振込先・締日・支払日)を明確にする
  • 源泉徴収のための税務署届出(「給与支払事務所等の開設届出書」など)
  • 出勤簿・賃金台帳・労働者名簿の整備(労基法で義務化)

これらは一度整備すれば、次の採用からも使い回せます。
最初にしっかり仕組みを作っておくことで、あとが格段に楽になります。




5. 助成金・支援制度を活用する

人を初めて雇うとき、想像以上に費用がかかります。
給与に加えて社会保険料の負担も増えるため、資金面で不安を感じる方も多いでしょう。
そんなときに活用できるのが、国や自治体の助成金・支援制度です。

これらは返済不要の資金ですが、事前申請や計画提出が必要なケースがほとんどです。
採用を決める前に概要を把握しておくことで、申請のチャンスを逃さずに済みます。


(1) トライアル雇用助成金

一定の条件を満たす求職者を試行的に雇い入れる場合に、最長3か月間の助成が受けられる制度です。

  • 対象:ハローワークの紹介で雇用された人(若年者・子育て中の人など)
  • 主な要件:雇用保険への加入、一定期間継続勤務させること
  • 助成額の目安:1人あたり最大4万円/月(最長3か月)

本採用前にお互いの適性を確認できるため、初めての採用に向いています。
雇用後に申請するのではなく、「雇う前に」ハローワークへの相談が必要です。


(2) キャリアアップ助成金(正社員化コースなど)

有期契約・パート・アルバイトとして雇用している従業員を正社員などへ転換した場合に支給される制度です。
非正規社員の処遇改善や定着支援を目的としており、小規模事業でも活用しやすい助成金です。

  • 対象:雇用保険適用事業所の事業主
  • 主な要件:転換後に無期または正社員として6か月以上継続雇用
  • 助成額の目安
    • 有期→正社員:1人あたり最大57万円(生産性要件を満たす場合は72万円)
    • 有期→無期:1人あたり最大28.5万円(同条件で36万円)

段階的にキャリアを積ませたい場合や、まずパート採用から始めたい個人事業主にとって現実的な支援策です。


(3) 地域雇用開発助成金

事業所を新設・拡張し、地域で新たに雇用を生み出した場合に支給されます。

  • 対象地域:雇用情勢が厳しい地域(茨城県内の一部地域を含む)
  • 助成額の目安:新規雇用1人あたり最大60万円(3年間にわたり分割支給)

建設業や製造業など、拠点を構えて人を雇う場合に有効です。
建物の賃貸契約書や雇用契約書を証拠として申請します。


(4) 人材確保等支援助成金(働き方改革支援コースなど)

職場環境の改善や定着率向上に取り組む企業を支援する制度です。

  • 対象:雇用管理改善を行う中小企業
  • 助成例
    • 勤怠管理システムの導入
    • 有給休暇制度の見直し
    • 両立支援制度の導入
  • 支給額の目安:取組内容に応じて数十万円〜100万円超

“人を雇う環境づくり”そのものが助成対象になるため、採用後の体制づくりにも役立ちます。


(5) 自治体の独自支援(茨城県・水戸市・ひたちなか市・つくば市)

茨城県|中小企業人材育成支援事業補助金
デジタル系の資格取得やスキルアップ研修費を補助。リスキリング推進宣言企業であること等が要件です。公募期間・対象経費・補助率は最新版の要領を確認しましょう。

水戸市|中小企業振興支援補助金(人材確保・育成事業)
市の補助メニューの一枠として「人材確保・育成」を明示。事前申請制・先着枠で、審査完了前の着手は対象外です。受付件数や締切に注意が必要です。

ひたちなか市|中小企業事業活性化補助金(人材確保推進事業 等)
採用広報、就職イベント参加、説明会実施などを支援。年度により構成・上限・補助率が変動します。令和7年度は予算到達で受付終了済みのため、来年度の公募要領を早めに確認すると安心です。

つくば市|雇用促進交付金(障害者一般型/障害者学生アルバイト型)
市内事業所が障害のある市民を新規雇用した場合に交付。勤務時間区分や在籍要件・申請期限の定めがあります。2か月以上の勤務確認など実務条件を満たす必要があります。

※上記はいずれも年度や要領改定で内容が変わる場合があります。申請前に必ず最新情報をご確認ください。


(6) 助成金申請の注意点

  • 採用前にハローワークへ計画書を提出する必要がある場合が多い
  • 雇用契約書・出勤簿・賃金台帳などの客観的記録が必須
  • 助成金ごとに対象期間や締切が異なるため、常に最新の公募要領を確認する

特に初めての申請では、社会保険労務士に相談するのがおすすめです。
助成金は「雇ってから探す」より、「雇う前に調べる」が鉄則です。


6. トラブルを防ぐための基本ルール

「人を雇う」とは、信頼関係を築くことでもあります。
どんなに良い人を採用しても、仕組みが整っていないと誤解や不満が生まれ、結果的に離職につながります。
ここでは、初めて雇うときに押さえておきたい労務管理の基本ルールを整理します。


(1) 必ず整えておきたい書類

従業員を雇った時点で、法律上の保管義務が発生する書類があります。

書類内容保存期間
雇用契約書(労働条件通知書)雇用条件を明示。双方が1部ずつ保管。労働契約終了後3年
出勤簿労働時間・残業・休日出勤の記録3年
賃金台帳支給額・控除額など給与の明細3年
労働者名簿氏名・住所・雇入日などの基本情報3年

これらは、労働基準監督署の調査で確認を求められることもあります。
フォーマットは市販ソフトでも十分ですが、最低限「日付・時間・金額・署名」が明確に残る形を守りましょう。


(2) 労働時間と休日のルール

労働基準法では、

  • 1日8時間、1週40時間を超える労働は原則禁止
  • 残業を命じる場合は「36協定」を労基署に届け出る
  • 週に1回以上の休日を与えると定められています。

また、1日6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が必要です。
勤務表上に「始業・終業・休憩時間」を明記しておくと、トラブル防止につながります。


(3) 有給休暇の扱い

6か月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した従業員には年10日の有給休暇が発生します。
小規模事業でもこれは義務です。
取得を拒否することはできず、取得管理簿の作成も求められます。

年5日以上は必ず取得させる義務(年5日取得義務化)があるため、勤務日数の少ないパート・アルバイトにも注意が必要です。


(4) コミュニケーションの習慣づくり

最初の1人を雇うときは、制度よりも信頼づくりが重要です。

  • 週1回、5分でも振り返りの時間を取る
  • 不満や提案を口にしやすい雰囲気を作る
  • 給与や勤務条件の変更は必ず書面で伝える

こうした小さな積み重ねが、長期的な定着につながります。
「働きやすい環境」とは、特別な制度よりも約束を守る文化で支えられるものです。


(5) 専門家との連携

労務管理は、税務や許認可と同じく専門知識が必要な分野です。
次のような連携を意識しておくと安心です。

専門家主なサポート内容
社会保険労務士労働保険・社会保険手続き、助成金申請、就業規則整備
税理士給与計算、源泉徴収、年末調整
行政書士雇用契約書の作成支援、補助金・経営計画の策定など

制度の整備を一度プロに相談しておけば、その後の変更や追加もスムーズです。




7. 外部専門家との連携

人を雇うと、事務手続きや労務管理、税務処理など、専門的な知識が求められる場面が一気に増えます。
すべてを自分ひとりで抱えるのは現実的ではありません。
そんなとき頼りになるのが、社労士・税理士・行政書士などの専門家です。


(1) 社会保険労務士(社労士)

従業員を雇った瞬間から関係が深くなるのが社労士です。
労働保険・社会保険の手続きはもちろん、就業規則の作成、助成金の申請サポートまで幅広く対応してくれます。

  • 雇用保険・社会保険の加入手続き
  • 36協定や就業規則の整備
  • 各種助成金(キャリアアップ助成金・人材確保等支援助成金など)の申請

事業主が知らないうちに法令違反になっているケースも多いため、顧問契約まで結ばなくても初回相談だけでも早めに行っておくと安心です。


(2) 税理士

雇用後に発生する給与計算・源泉徴収・年末調整など、税金関連の処理は税理士の得意分野です。
特に従業員を雇うと、毎月の給与支払いごとに「所得税の源泉徴収」を行う義務が生じます。

  • 給与計算・源泉徴収税額表の適用
  • 年末調整・法定調書の作成
  • 会計処理・経理体制の見直し

記帳代行を依頼している場合は、その延長で給与業務もまとめて任せられることがあります。


(3) 行政書士

行政書士は、雇用契約書や社内文書の整備、補助金や事業計画策定支援を通じて、採用から経営までをサポートします。

  • 雇用契約書・労務関連書類の作成支援
  • 事業計画書・補助金申請書の作成
  • 創業期の許認可・登録手続き

当事務所(つむぎ行政書士事務所)でも、中小企業診断士の視点を生かし、経営・財務・人材を一体的に支援する体制を整えています。「人を雇う」ことは単なる労務対応ではなく、事業の次のステージへの準備でもあります。


(4) 連携のメリット

各専門家を個別に使うのではなく、連携してもらうことで抜け漏れを防げます。

分野主なリスク専門家のフォロー
労務労働保険・社会保険の未加入、違法残業社労士が法令遵守と助成金申請をサポート
税務給与源泉・年末調整の誤り税理士が正確な処理を代行
経営計画人件費増による資金繰り悪化行政書士・診断士が計画と補助金申請を支援

誰か一人ではなく、小さなチームとして外部人材を持つ感覚が理想です。


専門家に相談することで、「自分がやるべき仕事」と「任せる仕事」が明確になります。
それは、雇用を成功させるためのもう一つの“仕組みづくり”でもあります。


8. まとめ

「人を雇う」という決断は、創業者にとってひとつの転機です。
これまで自分ひとりで築いてきた事業に、他者の力が加わる瞬間――それは、責任の重さと同時に、可能性の広がりを意味します。

最初は、雇用契約や社会保険の手続き、給与計算など、知らないことばかりかもしれません。
けれど、一つひとつ整理していけば難しいことではありません。
外注・パート・正社員、どの形を選ぶにしても、「信頼して任せる」という意識が根底にあれば、きっと長く続く関係が築けます。

雇用は単に人手を増やすことではなく、
あなたの事業を次の段階へ押し上げるための“仕組みづくり”です。
そして、その仕組みを支える制度や専門家の助けは、思っている以上に身近にあります。

もし「何から始めたらいいか分からない」と感じたら、まずは一度、話をしてみてください。
制度や書類の前に、あなたの事業に合う形を一緒に考えることから始められます。


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