建設業の人材戦略|若手・ベテランを動かす内発的動機づけとは
はじめに:人手不足時代の人材戦略に必要な視点とは?
建設業界では、深刻な人手不足が続いています。多くの企業にとって、優秀な人材の確保と定着は重要な課題です。
とはいえ、給与や待遇の向上だけでは限界があります。そこで注目されているのが、「内発的動機づけ」という考え方です。
これは、報酬のような外的な要因ではなく、「楽しい」「成長したい」などの内面の意欲に働きかけるアプローチです。
本記事では、この心理学的アプローチを建設業の人材戦略にどう活かせるか、若手・ベテランそれぞれの事例を通してご紹介します。
内発的動機づけを高める「自己決定理論」とは?
心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱した 「自己決定理論」 では、以下の3つの心理的欲求が満たされることで、人の内発的なモチベーションが高まるとされています。
● 自律性(Autonomy)
自分で決めて行動したい、という欲求。
● 有能感(Competence)
自分の能力を発揮し、達成感を得たいという欲求。
● 関係性(Relatedness)
他者とつながり、貢献していると感じたい欲求。
これらをどのように現場のマネジメントに落とし込むかが、鍵となります。
若手社員へのアプローチ|成長と挑戦の機会を設計する
◆ 事例:入社3年目のAさんが変わった理由
入社3年目の若手社員Aさんは、指示された作業だけをこなす日々にやりがいを感じられずにいました。
ところがある日、上司から「次の現場で使う安全装備について調べて、導入を提案してみて」と声をかけられます。最初は戸惑ったものの、Aさんは積極的に情報を集め、メーカーと打ち合わせを重ね、最適な装備を選定。
そして、その結果、Aさんの提案が採用され、作業員から「使いやすい!」と高評価を得ることに成功しました。Aさんはこの経験を通じて、「自分の意見が現場改善につながった」と実感し、大きな有能感と成長意欲を得たのです。
◆ 若手に効くマネジメント施策
- 達成可能な目標設定とフィードバック
⇒まず、「小さな成功」を積み重ね、自信と成長を実感できるようにする。 - 裁量のあるタスクの提供
⇒次に、計画から実行まで一貫して任せることで、自律性を高める。 - 少し背伸びが必要な仕事を与える
⇒さらに、成功体験を通じて「自分にもできる」という有能感を育む。 - OJTやメンター制度の活用
⇒また、悩みに寄り添う先輩の存在が、職場への帰属意識を生み出す。
ベテラン社員へのアプローチ|貢献と承認の場を用意する
◆ 事例:20年のキャリアを活かしたBさんの変化
黙々と仕事をこなしてきたベテラン社員Bさん。若手との接点は少なく、どこか孤立しているようにも見えました。
そんなある日、会社はBさんに「若手向け勉強会の講師」を依頼します。最初は消極的だったBさんですが、講義の中で若手社員が熱心に耳を傾け、質問を重ねてくる様子を見て、次第に表情が明るくなっていきました。
そして、終わった後には「分かりやすかった」「勉強になった」と感謝の言葉をもらい、Bさんは自分の経験が役に立ったという達成感を感じました。
◆ ベテランのモチベーションを高める方法
- 指導役・リーダー役を任せる
⇒技術・知識の継承を通じて、有能感と関係性を強化。 - 意思決定プロセスに参加してもらう
⇒経験を活かせる場を作り、自律性と責任感を引き出す。 - 多様な役割を提供する
⇒品質管理、安全管理など、既存のスキルを生かす機会を設計。 - 具体的に感謝・承認を伝える
⇒「貢献している」と感じることで、再び仕事への誇りを持てる。
まとめ:心理学を活かしたマネジメントで「選ばれる職場」に
建設業で人材が定着しにくい原因の一つに、「内面のモチベーション」が軽視されがちという点があります。
しかし、自己決定理論をベースとした人材戦略は、待遇だけに依存せず「この現場で働き続けたい」と思わせる環境づくりにつながります。
- 若手には 「挑戦とフィードバック」
- ベテランには 「貢献と承認」
つまり、この2軸の意識により、すべての社員がやりがいを持って働ける現場を実現できます。結果として定着率や生産性の向上にもつながっていくはずです。
おわりに|御社では内発的動機づけを活かせていますか?
内発的動機づけの活用は、一朝一夕ではできません。だからこそ、継続的な取り組みと仕組みが求められます。
「若手のやる気が続かない」
「ベテランが指導に消極的」
そんな悩みがある現場には、心理学に基づいた人材戦略の導入を強くおすすめします。
御社の現場に合わせた仕組みづくりについて、中小企業診断士として具体的なご提案が可能です。お気軽にご相談ください。
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