補助金で利益が出たら返金!?“収益納付”って何?

目次

はじめに

「補助金は返さなくていいお金」と思っていませんか?
確かに、補助金は融資と違って返済不要な支援金ですが、実は補助金の使い方や成果によっては、“一部を返さなければならない”場合があるのです。
それが、 「収益納付(しゅうえきのうふ)」 という制度です。

この記事では、収益納付とは何か、どのようなときに必要になるのか、対象となる補助金とそうでない補助金の違い、そして計算方法まで、事業者の立場からわかりやすく解説します。


収益納付とは何か?

収益納付とは、補助金を活用して実施した事業の結果、一定の収益(=利益)が生じた場合に、その一部を国や自治体に納める仕組みのことです。

多くの補助金制度の公募要領や交付規程には、次のような文言があります。

「補助事業により収益が生じた場合は、その一部または全部を返納する義務がある」

これは、補助金が税金を原資として支給されているという性質に基づき、事業者が過剰に利益を得ることを抑制し、制度の公平性・透明性を確保するために設けられたルールです。


なぜ返さなければならないのか?

補助金は、国や自治体が特定の政策目標に基づいて交付する支援金です。
本来の目的は「中小企業の設備投資を支援すること」「地域経済を活性化させること」などであり、特定の企業の利益補填や私的利益のためではありません

したがって、補助金によって得た利益があまりにも大きい場合には、「その成果の一部は社会に還元してもらうべき」という考えのもと、収益納付制度が適用されるのです。


収益納付が適用される補助金と適用除外の補助金

収益納付の有無は、補助金の種類によって異なります。以下に代表的な制度をまとめます。

補助金名収益納付の適用補足説明
小規模事業者持続化補助金原則あり特にイベント収益等は要注意
事業再構築補助金原則あり交付規程に基づいて計算
自治体独自の補助金制度により異なる公募要領を要確認
ものづくり補助金適用除外令和5年度以降、収益納付は不要と明記

特に重要なのが「ものづくり補助金」です。
令和5年度(2023年度)以降の公募分において、交付規程に「収益納付の適用は行わない」と明記され、制度上の撤廃がなされています

これは、補助事業で収益が出ること自体が本来望ましい成果であるという前向きな制度改正であり、他の補助金と比較しても特色ある運用です。


収益納付の計算方法とは?

補助事業で収益が生じたと判断された場合、納付すべき金額は次のような式で算出されます(代表的な例です)。

【収益納付の計算式】


収益納付額 =(収益額 − 控除額)×(補助金額 ÷ 補助事業費)− 累積納付額

【用語】

  • 収益額:補助事業により得た売上や営業利益
  • 控除額:補助事業における自己負担部分(補助事業費 − 補助金額)
  • 補助事業費:補助対象経費の総額
  • 補助金額:実際に交付された金額
  • 累積納付額:これまでに納付した金額(2年目以降)

【計算例】

例)以下のような事業を行った場合:

  • 補助金額:300万円
  • 補助事業費:700万円(自己負担:400万円)
  • 補助事業による収益額:500万円

計算式に当てはめると…

(500万円 − 400万円)×(300万円 ÷ 700万円)= 100万円 × 約0.4286 = 約42.9万円

→ 約43万円が収益納付の対象となります。


収益納付が不要なケースもある

補助金を使っても、すべてのケースで収益納付が必要になるわけではありません。以下のような条件に該当する場合は、納付が不要になることがあります。

【収益納付が不要になる主なケース】

  • 補助事業が赤字、または利益が出ていない場合
  • 収益性のない非営利・社会福祉事業である場合
  • 賃上げ要件等の政策要件を満たし、制度上で納付が免除されている場合
  • 「ものづくり補助金」など、制度上で収益納付が明確に不要とされている場合

「収益が出る=悪」ではない

「補助金を使って利益が出たら返さなければならない」と聞くと、マイナスの印象を抱くかもしれません。
しかし、国や自治体も本来は「事業者が補助金で成長し、利益を上げること」を望んでいます。

その証拠に、「ものづくり補助金」のように収益納付を撤廃する動きも出てきています。
要は、不適切な利益独占や不透明な使い方を防ぎつつ、事業の健全な成長を後押ししたいというのが制度側の意図です。


まとめ 〜補助金活用と収益納付を正しく理解しよう〜

収益納付は、補助金の「公共性」と「公平性」を担保するための制度です。
すべての補助金に適用されるわけではなく、最近では撤廃される制度も増えてきました。

しかし、適用される制度であっても、事前に制度のルールを理解しておけば、納付額の予測や、税務・資金繰りの準備も可能です。
補助金を活かしてしっかり収益を上げ、納めるべきは納めたうえで、堂々とビジネスを伸ばしていきましょう。

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