【補助金活用の落とし穴】「目的外使用は禁止」ってどういう意味?~知らなかったでは済まされない、正しい使い方を解説~
はじめに:補助金は“税金”であることを忘れずに
補助金は国や自治体が実施する公的支援制度であり、その原資は私たちの税金です。したがって、補助金には明確な使用目的が定められており、その目的以外に使うことは原則として一切認められていません。
しかし、事業者の中には「ちょっとくらいならバレない」「余ったから別のことに使ってもいいのでは」と軽く考えてしまう方もいます。これは非常に危険な誤解で、最悪の場合は全額返還や法的責任につながることもあります。
この記事では、補助金の「目的外使用」について、初心者にも分かりやすく解説し、適切な対応や注意点をご紹介します。
目的外使用とは?定義と典型的な例
■ 目的外使用とは?
補助金交付要綱や実施要領では、「交付決定通知書に記載された用途以外への支出」は原則として目的外使用=違反行為とされます。
具体的には、以下のようなケースが該当します。
■ よくある目的外使用の例
| ケース | 内容 | 結果 |
|---|---|---|
| 設備導入の補助金を人件費に使用 | 補助対象外経費に使った | 補助金返還の可能性あり |
| 補助対象事業が終わった後に物品を購入 | 事業期間外の支出 | 目的外使用 |
| 補助対象でない事業に使う | 別部門や支店で使用 | 不適正支出と判断される恐れあり |
| 補助事業とは関係のない接待や交際費に充当 | 公費の私的流用 | 悪質なケースとみなされる |
「うっかりミス」でも返還対象に?
補助金の目的外使用を取られる典型的ケースは下記のようなものです。
その1:軽微な使途変更のつもりが…
とある中小企業が「IT導入補助金」で業務効率化のソフトウェアを導入する予定でしたが、社内調整の都合で別メーカーのシステムに変更。その際、事前に変更届を出さず購入してしまったため、目的外使用とされて返還を求められたケースがあります。
その2:余った補助金で備品を追加購入
「ものづくり補助金」で設備を導入後、予定より安く購入できたため、余った分で事務机などを購入。結果、補助金の“余剰分”を別の物品に使ったことが問題視され、部分返還となりました。
補助金は“使い切り”ではなく“精算方式”
補助金は原則「精算払い」=実際に使った分だけが後から支払われる仕組みです。「もらった分は全部使わなきゃ損」と思ってはいけません。余った場合は申告し、適切に処理する必要があります。
なぜ目的外使用が厳しく制限されているのか?
補助金制度は、政策目的の実現を目指して設計されています。たとえば「中小企業の生産性向上」「脱炭素推進」「地域経済活性化」など、各制度には狙いがあります。
そのため、使途が不明確になれば制度の趣旨が損なわれ、不公平・不正の温床となるリスクがあるのです。
また、適正な使用がなされなかった場合には、会計検査院や監査法人からの指摘が入り、制度そのものの見直しや縮小につながることすらあります。
一部の不適切な利用が、真面目に取り組む他の事業者の首を絞めてしまうことにもなりかねません。
補助金を正しく使うための3つのポイント
① 交付決定通知書・要綱・手引きを熟読する
特に「補助対象経費」「対象期間」「支出の証拠資料」に関する記載は要チェックです。何に、いつまでに、いくら使うかが明確に定められています。
② 事前に変更が生じたら必ず「変更届」を提出する
「内容を変更したい」「予算配分を変えたい」という場合は、必ず所定の手続きを踏むこと。無断変更は、たとえ必要な変更であっても違反になります。
③ 不明点があれば、必ず事務局に相談する
判断に迷う場合は、自己判断せず、必ず事務局や支援機関に相談してください。事前相談をして記録を残しておくことで、後のトラブルを回避できます。
違反が発覚した場合のリスク
■ 補助金の返還命令
目的外使用が判明した場合、最も多い対応は該当金額の返還命令です。
特に悪質なケースでは、全額返還や加算金(利息)が課される場合もあります。
■ 他制度への申請制限
補助金の不正利用があったとみなされた場合、今後の補助金申請資格が一定期間停止されることもあります。
■ 社会的信用の失墜
「不正受給」というレッテルがつけば、取引先や金融機関からの信用も大きく揺らぎます。行政処分として社名が公表されるケースもあり、事業そのものに深刻なダメージを与えることになりかねません。
おわりに:補助金は“もらって終わり”ではない
補助金は大きな追い風になりますが、正しく使わなければ逆風にもなり得ます。
「せっかく採択されたのだから、有効活用したい」と思うのは自然ですが、ルールに則って活用することが最重要です。
補助金活用に不安のある方へ
「補助金の申請内容と実際の経費が合っているか不安」「使い方に迷っている」そんなときは、専門家に相談するのが安心です。
当事務所では、補助金申請から実績報告まで一貫してサポートを行っております。
正しく、そして効果的に補助金を活用したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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