中小企業診断士って何ができる人?
「中小企業診断士」という国家資格をご存じでしょうか?
中小企業の経営者の中には、「名前は聞いたことがあるけれど、何をしてくれる人なのかはよく分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実はこの資格、経営に関して“国家が認定するレベルの専門家”でありながら、その活用方法は広範かつ柔軟。経営戦略の策定から補助金申請の支援、業務改善や人材育成、さらには事業承継や新規事業の伴走まで、多岐にわたります。
この記事では、そんな中小企業診断士の支援の幅広さを紹介しながら、「どんな場面で相談すべきか?」「他士業との違いは?」など、実務視点で分かりやすく解説していきます。
1. 中小企業診断士とはどんな資格か?
中小企業診断士は、経済産業省が認定する経営コンサルタントの国家資格です。
経営、財務、人事、マーケティング、法務、ITなど、企業活動に必要な広範な知識とスキルが求められ、一次試験(筆記)と二次試験(論述・口述)を経て合格する高度な資格です。受験者全体に対する合格率は約4%です。
その位置づけから、次のような公的な支援事業でも重用されます。
- 商工会・商工会議所の経営相談員
- よろず支援拠点の専門家
- 各種補助金・認定支援機関業務
- 中小企業庁・自治体との協働プロジェクト
つまり、単なる「アドバイス屋さん」ではなく、実際の現場で経営改善や資金調達、事業再構築を支援する専門家なのです。
2. 中小企業診断士ができる主な支援内容
中小企業診断士は、経営全般を俯瞰して支援できる唯一の国家資格です。
その支援内容は多岐にわたりますが、以下では実務上よく依頼される代表的な6つの分野について、具体的な内容や活用シーンを詳しく紹介します。
① 経営診断・経営改善支援
内容の概要
企業の現状を客観的に分析し、「どこに課題があるか」「何が強みか」を明確にしたうえで、経営改善の方向性やアクションプランを提案します。
売上減少・利益圧迫・資金繰りの悪化などの際に特に有効です。
支援の流れ
- 決算書や試算表の分析(財務診断)
- 経営者ヒアリング・従業員アンケート
- SWOT分析・3C分析などの手法を活用した環境分析
- 改善提案の策定と実行支援
こんな企業におすすめ
- 黒字倒産のリスクを感じている企業
- 赤字体質から抜け出せない中小製造業
- 自社の課題を言語化・可視化したい経営者
② 補助金・助成金申請の計画書作成支援
内容の概要
国や自治体の補助金を活用したい事業者に対して、経営計画書や事業再構築計画書を一緒に作成します。審査においては「経営者の構想力」と「計画の整合性」が問われるため、プロの視点が非常に有効です。
対応可能な主な補助金
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金 など
診断士の関与メリット
- 採択されやすい計画書の構成・文章の書き方
- 財務シミュレーションの組み立て
- 採択後の実績報告・事業管理の支援
特に相性が良い業種
- 建設業、小売業、製造業、飲食業、運送業、サービス業
③ 創業・第二創業・新規事業開発の伴走支援
内容の概要
新たに起業したい方や、既存事業の第二創業(新規分野進出)を考える経営者に対して、ビジネスモデルの構築・市場分析・資金計画の策定を支援します。
支援内容の一例
- 創業計画書・融資計画書の作成支援
- 顧客ターゲットの明確化と販路戦略
- 商品・サービスの差別化ポイント設計
対象となる課題
- 「何から手を付ければいいか分からない」
- 「融資や補助金を通す計画書が作れない」
- 「事業の見通しを専門家に客観視してほしい」
④ 財務・資金繰りの改善支援
内容の概要
財務諸表をもとに、資金の流れを「見える化」し、ムダな出費の削減や適切な投資判断をサポートします。税理士が処理した「過去」の数字をもとに、これからの財務をどう設計するかを考えるのが診断士の役割です。
主な支援内容
- 月次資金繰り表の作成と運用支援
- 利益構造・原価構造の見直し提案
- 金融機関との面談アドバイスや資料作成
支援のメリット
- キャッシュフローの改善
- 金融機関との関係性の強化
- 無理のない投資・融資判断の材料提供
⑤ 業務効率化・DX(デジタルトランスフォーメーション)支援
内容の概要
人手不足や業務の属人化に悩む企業に対し、業務フローの見直し・IT導入による効率化を支援します。ITベンダーではない中立的立場からのアドバイスが可能です。
主な支援内容
- 現状業務プロセスの「見える化」
- ITツールの選定支援(会計ソフト、CRM、勤怠管理など)
- 補助金を活用したDX投資計画の策定
よくある相談例
- 「エクセル管理を卒業したい」
- 「社内の情報共有をもっと効率化したい」
- 「クラウドサービスの比較がわからない」
⑥ 組織・人材マネジメント支援
内容の概要
組織の成長にともない、人材の定着・評価制度・リーダー育成といった課題が顕在化します。診断士は、経営者と従業員の間に立って、組織の健康診断・制度設計を支援します。
支援内容の一例
- 組織診断(社内アンケート・ヒアリング)
- 人事制度・評価制度の設計
- 次世代リーダー候補の育成計画
特に効果が出やすいシーン
- 従業員が10人を超えた頃の組織拡大期
- ベテラン退職による組織再編
- 採用活動の強化を目指すタイミング
3. よくある支援の実例
実際の支援事例として、以下のようなケースがあります。
事例1:赤字続きの製造業が、利益体質に
月次収支を分析し、不採算商品の撤退と得意先別利益管理の導入を提案。数値管理の習慣が根づき、1年後には黒字転換。
事例2:飲食店の新業態展開を支援
売上減少に悩む飲食店の店主に対し、宅配・テイクアウト事業の事業計画書を作成し、補助金申請に成功。資金確保により設備投資も実現。
事例3:人手不足の建設会社に業務改善提案
作業日報のデジタル化、外注費の見直し、現場別収支管理の導入などを支援。IT導入補助金の活用支援も含む伴走型支援を実施。
4. 他士業との違いと連携のポイント
士業といえば、行政書士・税理士・社労士などがよく知られています。
それぞれの特徴と中小企業診断士の違いは以下の通りです。
| 士業名 | 主な業務 | 中小企業診断士との連携 |
|---|---|---|
| 税理士 | 税務申告、会計指導 | 財務分析や資金計画で連携可能 |
| 社労士 | 労務管理、助成金 | 組織改善や評価制度設計で協業 |
| 行政書士 | 許認可申請、契約書作成 | 補助金申請や会社設立で共同支援可 |
| 弁護士 | 法的トラブル対応 | 経営と法務の橋渡しが可能 |
| 中小企業診断士 | 経営全般の改善支援 | 事業全体のデザインと連携調整役 |
診断士は「現場の声を聞き、経営全体を俯瞰して設計図を描く役割」を担い、他士業と連携して総合支援を行うハブ的な存在になることが多いです。
中小企業診断士に業務を依頼するにはどうしたらいいの?
1. 民間の中小企業診断士に直接依頼する
方法:
- 診断士個人またはコンサルティング事務所のホームページから問い合わせ
- 地元で活動している診断士をネットで検索(例:「茨城県 中小企業診断士 経営改善」など)
- 行政書士や税理士と連携している診断士に紹介してもらう
メリット:
- 自社の事情に合わせた柔軟な支援が受けられる
- 継続支援(顧問契約など)も可能
- スピーディに対応してもらえる
費用の目安:
- 単発相談(1~2時間):1〜2万円前後
- 経営診断・計画書作成:10万〜30万円程度
- 顧問契約:月額3万円〜(内容に応じて変動)
2. 商工会・商工会議所・よろず支援拠点を通じて依頼する 方法:
- お近くの「商工会」「商工会議所」「よろず支援拠点」に相談
- 内容に応じて、専門家(中小企業診断士)を派遣・紹介してもらえる
メリット:
- 初回または一定回数まで無料で相談できるケースが多い
- 補助金や経営改善計画など公的支援と連動したアドバイスが可能
- 信頼性の高い診断士にアクセスできる
3. 認定支援機関経由で依頼する
方法:
- 経済産業省が認定した「認定経営革新等支援機関」に登録している中小企業診断士を探す
→ 検索サイト:ミラサポplus 認定支援機関検索
メリット:
- 補助金(例:事業再構築補助金、ものづくり補助金)の加点や必須要件として利用できる
- 金融機関との連携も円滑
4. 知人や他士業から紹介してもらう
行政書士、税理士、社労士などが中小企業診断士と連携しているケースも多いため、「補助金を申請したい」「経営改善と許認可を同時に進めたい」といったときは、他士業経由で依頼できることもあります。
まとめ
中小企業診断士は、中小企業の「経営のかかりつけ医」とも言われる存在です。
目の前の課題だけでなく、5年後10年後を見据えた経営の方向性を一緒に考え、最適な支援を組み立ててくれるパートナーとなり得ます。
「誰に相談していいか分からない」と感じたときこそ、中小企業診断士を頼ってみてください。
当事務所の専門家も中小企業診断士を保有していますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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