産業廃棄物収集運搬業許可の更新と失効時の対処法

許可も講習も5年更新制。忘れたら“無許可業者”に…!

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得された事業者様から、
「更新って必要だったんですか?」
「講習会は一度受ければいいんじゃないの?」
といったご相談を受けることが少なくありません。

結論から言えば、産廃業許可は「5年ごとの更新制」であり、必要な講習も同様に有効期間が定められています。しかもこの更新を忘れてしまうと、許可は失効=無許可状態となり、廃棄物処理法違反に問われるリスクすらあるのです。

今回は、行政書士の立場から「許可の更新」と「失効後の対処」までを網羅的に解説します。
すでに産廃業を行っている方も、これから取得を検討している方も、ぜひ最後までお読みください。


目次

1. 許可と講習はセットで「5年ごとに更新」が必要

産業廃棄物収集運搬業の許可は、廃棄物処理法に基づく都道府県知事(または政令市長)の認可により発行され、有効期限は5年間と定められています。

この許可を更新するためには、以下の2つを満たす必要があります。

  • 有効な許可証の更新申請(期限内)
  • 有効な講習会修了証(日本産業廃棄物処理振興センター実施)

つまり、許可と講習はワンセットで更新が必要だと理解しておく必要があります。


2. 許可更新のスケジュールと流れ

■ 更新申請のタイミング

更新は、許可の満了日の3か月前から前日までに行わなければなりません。
たった1日でも過ぎてしまうと「失効」扱いとなり、事実上の新規申請となってしまいます。

■ 必要書類(一般例)

  • 許可更新申請書(指定様式)
  • 定款・登記事項証明書(法人の場合)
  • 講習修了証の写し
  • 決算書(直近3期分)
  • 経理的基礎に関する資料(残高証明など)
  • 欠格要件に関する誓約書

※自治体によって様式や要件が微妙に異なります。
申請先のホームページで最新版を確認するか、専門家に確認を依頼しましょう。


3. 講習会の修了証も「更新制」

許可の更新時に必要なのが、日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)による講習会の修了証です。
この講習も、修了証の有効期間が5年間であるため、期限前に「更新講習」を受ける必要があります。

■ 講習の種類とタイミング

種類対象有効期間
新規講習初めて取得する人5年
更新講習許可をすでに持っている人5年

申請時に有効な修了証がないと更新申請は受理されません。
しかも、修了証の発行には受講から数日~2週間程度かかるため、受講タイミングを誤ると間に合わなくなります。


4. 許可や講習の更新を忘れるとどうなる?

結論から言うと、許可が失効した瞬間から「無許可業者」となります。
廃棄物処理法上の違反となり、次のようなリスクが発生します。

● 法的リスク

  • 無許可営業として刑事罰の対象(法第25条)
     → 6か月以下の懲役または100万円以下の罰金

● 信用・契約上のリスク

  • 排出事業者や元請業者との契約解除
  • 官公庁や金融機関との信用失墜
  • 許可の再取得における行政からの厳しい目

更新申請のつもりで役所に持ち込んだら、「もう失効しています。新規申請です」と突き返されることも珍しくありません。


5. もし失効してしまったらどうする?

やってはいけないのは「失効に気づかないまま運搬を続けること」。
この状態はまさに“違法営業”であり、行政処分や告発の対象になります。

■ 対処フロー

  1. すぐに運搬業務を停止
  2. 管轄行政(県または政令市)に事情を説明し、再取得の相談
  3. 新規講習を受講(更新講習は使えません)
  4. 新規申請に必要な書類をすべて揃える
  5. 許可が下りるまで業務は休止

再取得には通常よりも厳格な審査がなされる可能性もあるため、正確な経緯説明と誠実な対応が求められます。


6. よくある更新ミスとその対策

よくある原因対策
講習修了証の有効期限切れ1年前から講習受講スケジュールを管理
担当者の退職・引継ぎミス許認可一覧表を共有管理(総務・経営層)
通知書類が届かなかったカレンダー登録+士業と共有スケジュール管理
更新月と繁忙期が重なった更新申請を早めに済ませる(3か月前から可能)

7. 更新管理も“経営管理”

許可の更新と講習の更新は、単なる手続きではありません。
それは、事業を止めないための「信用の土台」であり、リスク管理そのものです。

  • 許認可管理台帳の作成
  • 経営会議での定期確認
  • 顧問行政書士の活用

など、制度的に更新を忘れない仕組みをつくることが、強い産廃業者の条件です。


まとめ:更新と講習は、忘れた瞬間に“違法業者”

  • 許可と講習は5年ごとの更新制
  • 更新を忘れると無許可扱いとなり違法
  • 講習は「更新講習」で間に合わせないと更新不能
  • 失効したら「運搬停止 → 新規講習 → 再取得申請」の流れ
  • 更新管理は事業リスクの第一歩。制度化がカギ

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