契約の意思がない相手に対する営業電話の継続は特定商取引法違反です
HPを公開したら営業電話が鳴り止まない?
法人や個人事業主としてホームページを開設すると、途端に増えるのが「営業電話」。ホームページ制作、SEO対策、補助金申請代行など、さまざまな業者からの電話が1日に何件も掛かってくるという相談を、私も数多く受けてきました。
実際、私自身も事務所のHPを開設して以降、ある特定の業者から数十回以上もの営業電話を受けた経験があります。いったん断っても、しばらくしてまた掛かってくる——そんな繰り返しに頭を抱えている方は少なくないでしょう。
業者は「ホームページを開設しました」という文言をGoogleで検索し、新規開業した事業者をリストアップしています。
しかし、実はこれ、特定商取引法違反の可能性があることをご存知でしょうか?
今回は、しつこい営業電話にどう対応すべきか、法的観点から整理してお伝えします。
特定商取引法が禁じる「再勧誘」とは
再勧誘の禁止(第17条)
特定商取引法では、電話勧誘販売に関して次のように定められています。
「販売業者または勧誘者は、契約の締結について勧誘を受けない旨の意思を示した者に対して、再びその者に対して勧誘してはならない」(第17条)
つまり、一度「お断りします」「今後のお電話はお控えください」と伝えたにも関わらず、再び営業目的で電話をしてきた場合、それは法令違反となる可能性があります。
違反した場合の罰則
違反が確認されると、以下のような行政処分の対象となりえます。
- 業務停止命令
- 指導・勧告
- 社名公表
- 重大な場合は刑事罰の可能性も
もちろん、業者側に「知らなかった」では済まされません。
実際に営業電話が止まらないときの対応ステップ
では、何度断っても電話が掛かってくる場合、どう対応すればよいのでしょうか?ここでは段階的な対応方法をご紹介します。
① 証拠を記録する(必須)
- 通話の日時・相手名・電話番号・内容を記録
- 可能であれば録音(自動応答設定やICレコーダー等)
- 着信履歴やメールも保存しておく
営業の悪質性を判断するうえで、これらの記録が重要な証拠となります。
② メールや文書で「これ以上の勧誘を禁止する」と通知
口頭で断るだけでは不十分です。以下のような文面をメールや郵送で通知します。
「再三の営業電話により、業務に支障が生じています。
特定商取引法第17条に基づき、今後の一切の営業連絡をお断りいたします。
以後、勧誘行為が継続する場合は、記録・保存のうえ、所管官庁への通報等の法的措置を検討せざるを得ません。」
※内容証明郵便で送ると、より正式な証拠となります。
③ 行政機関への通報
通知後も改善が見られない場合は、行政機関に通報できます。
- 消費者庁/都道府県の消費生活センター
→ 再勧誘禁止違反の可能性として報告 - 経済産業局や総務省(悪質なテレマーケティングの場合)
これらの通報により、業者への行政指導や業務停止命令が出されることもあります。
④ 電話のブロック設定も有効
- 着信拒否設定(スマホ/固定電話)
- 番号通知ガイダンス(録音案内)を導入
- 複数番号や非通知対策のため、全通話録音サービスの活用も検討
まとめ:営業電話の再勧誘は「放置せずに対処」が大切
HPを開設しただけで営業電話が来るのは避けられないかもしれません。ですが、何度も断っているのに繰り返される営業行為は違法の可能性がある行為です。
「これくらい我慢すれば……」と放置せず、
- 証拠の記録
- 法的根拠に基づいた通知
- 行政機関への通報
と、段階的に対処していくことが、同じ被害を防ぐことにもつながります
