建設業許可申請での欠格要件とは?~知らなかったでは済まされない重要ポイント~
建設業を営むためには、原則として「建設業許可」を取得する必要があります。許可の取得には様々な条件をクリアする必要がありますが、その中でも特に注意しなければならないのが「欠格要件」です。
欠格要件とは、文字通り「この条件に該当していると許可が“欠ける”、つまり取れない」という意味です。この記事では、建設業許可における欠格要件について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
欠格要件とは?
建設業許可の審査において、「この人(あるいは法人)は適正に建設業を営めるか?」を判断する重要な基準が欠格要件です。
建設業法第8条には、法人の役員や個人事業主本人が欠格要件に該当する場合、許可を与えない旨が定められています。
つまり、たとえ他の条件――例えば経営業務の管理責任者や専任技術者など――が揃っていても、欠格要件に該当していれば「不許可」になってしまうのです。
■ 欠格要件が存在する理由
1. 公共性の高い建設業における信頼確保のため
建設業は、住宅・公共インフラ・商業施設など、人々の生活や社会の基盤を支える重要な業種です。とりわけ公共工事では、税金が投入されるケースも多いため、関係する事業者が誠実であることは絶対条件です。
そこで、反社会的勢力との関係者や、過去に不正・違法行為を行った人物が経営に関与していないかを事前にチェックするために、欠格要件が設けられています。
2. 消費者・取引先の保護のため
建設工事は高額であり、施主(発注者)にとっては非常に大きなリスクを伴います。万一、過去に詐欺や契約違反を繰り返していた者が再び同じような事業を始めれば、多くの被害者が生まれる恐れがあります。
こうした事態を未然に防ぐため、過去の不正行為歴がある者には一定期間、建設業の参入を認めないというルールが必要とされます。
3. 適正な業界運営と健全な競争の維持のため
もし無秩序に誰でも許可を得られる状況であれば、ルールを守らない業者が不正に利益を得ることになり、真面目に事業をしている業者が不利になります。
そうなると、業界全体の信頼性が損なわれ、最終的には健全な事業者が淘汰されてしまうという悪循環が起きかねません。
したがって、不適格者を排除することで、業界全体の健全な競争環境を保つ役割を担っているのです。
■ 欠格要件は「罰」ではなく「予防策」
欠格要件は、ある種の制限ではありますが、単なる「処罰」ではなく、将来的なトラブルを防ぐための予防的措置です。
たとえば、刑罰を受けたことがある場合でも、一定の期間が経てば再び許可が取れるようになりますし、役員の交代などで欠格状態を解消することも可能です。
欠格要件の主な内容
それでは、建設業許可における具体的な欠格要件を見ていきましょう。主な項目は次のとおりです。
① 成年被後見人・被保佐人など
認知症や精神障害などにより、判断能力に支障があるとされる方は原則として欠格となります。
② 破産者で復権していない者
破産手続き中または復権を得ていない場合は欠格となります。復権とは、裁判所の手続きを経て、法的な制限を解除されることです。
③ 禁錮以上の刑に処せられた者(一定期間内)
過去に禁錮以上の刑を受け、その刑の執行が終わってから5年を経過していない場合、原則として欠格に該当します。
※執行猶予中や保護観察中も含まれます。
④ 建設業法違反等により処分歴がある者
過去に不正な手段で許可を受けた、あるいは建設業法違反により許可を取り消された者で、取り消しから5年を経過していない場合も欠格とされます。
⑤ 暴力団関係者
申請者本人や法人の役員が暴力団員、または暴力団と関係があると認められる場合は、欠格に該当します。
⑥ 法人役員のうちに欠格者がいる場合
会社の代表者は問題なくても、役員のうち1人でも欠格要件に該当していれば、許可を取得することはできません。
⑦ その他
営業停止や業務禁止の処分中である者、営業に関し不正または著しく不誠実な行為をした者なども対象になります。
欠格要件は「会社」だけでなく「人」にも及ぶ
特に注意したいのは、欠格要件は法人そのものではなく「個人」に適用されるという点です。
つまり、法人の代表者、取締役、支店長、支配人、さらには経営業務の管理責任者などの“関係者”の中に該当者がいれば、その時点で許可は下りません。
建設業許可では、法人全体としての信頼性だけでなく、それを構成する「人」についても厳しく審査されるというわけです。
欠格要件に該当する場合の対応策
欠格要件に該当しているからといって、永久に建設業許可が取れないわけではありません。
例えば以下のような対応策があります。
- 禁錮刑などの前歴がある場合:刑の執行終了後5年が経過すれば、再度申請が可能になります。
- 法人の役員が該当している場合:その役員を退任させることで、欠格状態を回避することができます。
- 暴力団排除に関する誓約書の提出:関係性が明確でない場合、誓約書の提出を求められることがあります。
欠格要件に関する状況によっては、事前に相談や準備をすることで申請が可能になる場合もあります。
行政書士に相談するメリット
欠格要件は非常に厳格で、判断が難しいケースも多々あります。
例えば、過去の経歴や刑歴の影響範囲、役員の交代による対応など、専門的な判断を要する場面では、行政書士への相談が有効です。
また、欠格要件に該当するか不安がある場合、事前確認や必要書類の精査を通じて、スムーズな申請をサポートすることができます。
まとめ
建設業許可の取得において、欠格要件は絶対に無視できない重要なポイントです。
他の条件をどれだけ満たしていても、欠格要件に一つでも該当していれば許可は下りません。
法人の代表者や役員の経歴、過去の行政処分歴など、見落としがないように事前にしっかり確認しておくことが大切です。
建設業許可の取得を検討されている方、少しでも不安な点がある方は、専門家に相談することで確実な準備が可能になります。
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