茨城県で民泊を始めるメリット

目次

首都圏から2時間。観光資源豊富な茨城は、民泊ブルーオーシャン

茨城県は、東京から電車で約2時間、常磐自動車道で気軽にアクセスできる立地でありながら、民泊施設はまだまだ少ない「ブルーオーシャン市場」です。大洗の海鮮、偕楽園の梅、筑波山、国営ひたち海浜公園など観光資源は豊富。さらに、茨城空港の国際線拡充により、今後インバウンド需要の急増が見込まれています。

この記事では、茨城県で民泊を始める5つのメリットと、成功のポイントを行政書士の視点から解説します。

茨城県で民泊を始める5つのメリット

1.競合が少ない=高稼働率を確保しやすい

茨城県の住宅宿泊事業(いわゆる民泊新法)の届出住宅数は219件です。近隣では埼玉402件、千葉1,015件、東京都463件で、茨城は相対的に少ない水準です。競争圧力が低く、上手に設計すれば稼働率を取りやすい土壌があります。特に家族向け・グループ向けの一棟貸し物件は需要過多の状況にあり、早期参入で地域内での認知度を確立できる可能性があります。

【データで見る競合状況】(届出住宅数・令和7年7月15日)

2. 観光資源が豊富=集客しやすい

茨城県は「魅力度ランキング」最下位常連のイメージですが、実際は観光資源が豊富な地域です。

県央:観光×ビジネスの二層需要

茨城県央エリアは、県庁所在地である水戸市を中心とした行政・ビジネス機能と、全国的な集客力を持つ観光地を併せ持つため、平日のビジネス層と週末のレジャー層という二層の安定した需要が見込めます。

 水戸市は県庁所在地として、行政機関企業の支店が集積しビジネス需要が大きいです。水戸芸術館や新しくなった市民会館は、文化イベントや会議の開催拠点となり、平日における宿泊・飲食・交通の安定した需要を確保します。また、日本三名園の一つである偕楽園千波湖といった歴史的な観光資源も魅力です。

 ひたちなか市では国営ひたち海浜公園のネモフィラやコキアが、国内外から大規模な観光客を呼び込むキラーコンテンツです。また、新鮮な海産物で知られる那珂湊おさかな市場阿字ヶ浦の海岸も高い集客力を持ちます。
 大洗町のアクアワールド大洗水族館はファミリー層に人気で、大洗磯前神社の神磯の鳥居はフォトジェニックなスポットとして注目されています。また大洗はアニメ「ガールズ&パンツァー」の聖地として国内外から観光客が訪れています
 小美玉市は県の空の玄関口である茨城空港があり、宿泊拠点としての需要取り込みが可能です。

県南:平日稼働の土台(学会・研究・出張)

茨城県南エリアは、国際的な学術・研究活動と、それに伴う安定したビジネス需要が特徴です。

 つくば市は研究学園都市として発展し、つくば国際会議場、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、筑波大学、産業技術総合研究所(産総研)といった国の重要機関が集積し研究・ビジネス用途での宿泊需要が高いです。筑波山は手軽な観光登山が出来る山として人気が高く、世界最大級の仏像である牛久大仏は国内外からの観光客を集めています。

県北:自然・体験でロングステイ

茨城県北エリアは、雄大な山々や清流、変化に富んだ海岸線といった手つかずの自然が最大の魅力です。体験型アクティビティ季節ごとの景観を組み合わせることで、滞在期間の長期化(ロングステイ)通年での集客を狙えるエリアです。

 大子町にある日本三名瀑の一つ、袋田の滝は、四季折々の美しい景観(新緑、紅葉、氷瀑など)を提供し、通年で観光客を惹きつけます。温泉や地元の食と組み合わせ、ゆったりとした滞在が可能です。
 常陸太田市では竜神大吊橋バンジージャンプが有名。スリルを求める層に特化した強力な体験型コンテンツです。周辺のハイキングコースと合わせ、アクティブな旅行客の滞在を促進します。
 日立市のかみね公園(遊園地・動物園)は、特にファミリー層の集客力が高く、周辺の宿泊施設への需要を生み出します。また、日立駅からの太平洋を一望する景観も魅力です。
 北茨城市では岡倉天心が愛した五浦海岸や、シンボルである六角堂は、その芸術的な景観と歴史的背景から、文化的な関心の高い客層の静かな滞在を誘います。

鹿行:聖地・イベント・ドライブ需要

鹿行エリアは歴史ある「聖地」への求心力と、水郷地帯特有の観光資源、そして産業・スポーツ関連の集客力が組み合わさった特色ある地域です。広大な平野と海岸線は、ドライブでのアクセスに優れています。

 鹿嶋市にある東国三社の一社である鹿島神宮は、全国からの参拝客が絶えない精神的な聖地です。また、Jリーグ、鹿島アントラーズの試合日には、スタジアムへの大規模な動員(イベント需要)があり、エリアの宿泊需要を高めています。
 鉾田市はメロンの一大産地として知られ、旬の時期には産直やメロン狩りといった食の観光が盛んになります。
 また、このエリアは水郷地帯特有の美しい景観が魅力です。特に潮来市のあやめ園十二橋めぐりは、水郷の風景を存分に楽しめる季節のイベントとして集客力を持ちます。
 霞ヶ浦、北浦が位置する一帯の広大な湖沼地域では、釣りサイクリングといった自然体験型のアクティビティが楽しめ、広域からのドライブ客やアウトドア愛好家の需要を取り込みます。湖岸沿いのドライブコースも人気です。

県西:伝統×季節イベント×広域移動

歴史ある伝統産業季節ごとの花や祭りを軸に、広域からの自動車移動を前提とした周遊型の観光との相性が非常に良い地域です。首都圏や他県からのアクセスも良く、多様な観光ニーズに応えます。
 結城市はユネスコ無形文化遺産にも登録されている結城紬の産地であり、伝統工芸に関心を持つ高付加価値層の誘致が可能です。職人の技に触れる体験や、歴史的な街並み散策が、滞在の目的となります。
 古河市にある古河総合公園の桃まつりは、春の集客イベントとして定着しており、季節の変わり目に広域からの観光客を呼び込みます。
 桜川市の雨引観音は安産祈願で知られ、信仰や文化的な興味を持つ層を引きつけます。

県西地域は車移動を前提とした茨城県内、または近隣県との広域周遊コースに組み込みやすい立地です。一つの市町村にとどまらず、「伝統文化」「花の名所」「体験農園」といった多様なテーマを組み合わせた、充実した観光ルートの提供に適しています。

3. 首都圏からのアクセス良好=週末需要が安定

【アクセス環境】

  • 電車: 上野駅から水戸駅まで特急で約65分
  • 車: 常磐自動車道で東京から約90分
  • 飛行機: 茨城空港(国内線:札幌・神戸・福岡・那覇 国際線:上海・ソウル)

【ターゲット層

  • 首都圏在住の家族・グループ(週末旅行)
  • リモートワーク世代のワーケーション利用
  • サーフィン・釣り愛好家(大洗・鹿嶋エリア)
  • アニメファン(ガルパン聖地巡礼)

特に「車で気軽に行ける距離」という点が、小さな子供連れの家族層に支持されています。

4. 物件取得・運営コストが低い

首都圏で簡易宿泊事業を運営するよりも茨城県の方が物件の取得コストは安く、投資収益率でも有利に働きます。

中古戸建価格:初期投資の決定的な差

首都圏、特に東京都内の中古戸建は、立地に関わらず高額です。 一方、茨城県では、主要都市(水戸市、つくば市)や主要駅周辺を除けば、築古の戸建が数百万円台から見つかることも珍しくありません。この物件取得費の圧倒的な低さが、民泊事業の成功確率を飛躍的に高めます。

令和5年(2023年)の住宅・土地統計調査によると、茨城県の空き家数は約19.6万戸、空き家率は14.1%と、全国平均(13.8%)を上回っており、特に「賃貸・売却用ではない空き家」がこの10年で約1.4倍に増加している深刻な状況です。
 空き家が多いということは、市場に出回る中古戸建の絶対数が多く、選択肢の幅が広いことを意味します。また、長期間活用されずに放置されている空き家は、所有者にとっても管理負担や固定資産税の負担となっており、相場よりも安価に取得できる可能性が高まります。また、都会では希少な広い庭付きの戸建や、外国人観光客に人気の古民家などを低価格で確保しやすい環境にあります。

戸建て賃貸費用

中古戸建を購入せず、賃貸物件を民泊利用する(許可や規約の確認は必要)場合でも、茨城県は有利です。首都圏の戸建て賃貸は高額ですが、茨城県では比較的安価に、広さのある戸建を借りられます。毎月の賃料は、事業の固定費となるため、ここを抑えることが収益性を高めることに直結します。

5. 今後のインバウンド需要増加が確実

全国トレンド

日本の訪日外客数は2025年9月までの累計で過去最速で年間3,000万人を突破。依然として訪日旅行の需要は高く、インバウンドは拡大基調です。

茨城空港の動向

茨城空港の2024年度の旅客数は過去最多(約77.6万人)を記録。国内線は過去最多、国際線も前年から大幅増となっています。
2025年11月12日から、茨城—ソウル(仁川)線が定期便就航(週3便・エアロK)。今後の韓国需要取り込みに追い風が吹いています。茨城県は、「茨城空港将来ビジョン」の中で「将来的にはシンガポールやベトナム、タイといったアジア圏や欧米への就航も視野に入れる」とし、さらなるインバウンドの獲得を目指しています。

茨城県の施策

県の観光振興基本計画(2022–2025)では「観光消費額」や「外国人延べ宿泊者数」の拡大を指標に掲げ、DC(デスティネーションキャンペーン)等で誘客を強化してきました。その成果もあり、2024年の観光消費額は、4,447億円と、前年(3,576億円)から24.4%(871億円)増加となりました。県としての受入強化・情報発信の流れは継続しています。

茨城県の民泊で成功するポイント

ポイント1: ターゲットを明確にする

エリアごとの特徴(ビジネス、観光地、研究都市、インバウンド人気など)をとらえてターゲットを明確にし、物件の選定や設備の整備を進めましょう。

  • 家族向け: 広めの一戸建て、キッチン・洗濯機完備
  • インバウンド向け: 駅近、多言語対応、和のテイスト
  • ビジネス利用: Wi-Fi高速、ワークスペース、長期割引
  • アウトドア愛好家向け: 大洗・鹿嶋の海沿い、BBQ設備

ポイント2: 差別化要素を作る

競合が少ない今だからこそ、他にはない特徴を持たせ、地域需要を取り込みましょう。

  • 地元食材の提供(朝食オプション)
  • 農業体験・漁業体験の手配
  • レンタサイクル・レンタカー手配
  • ペット同伴可
  • 長期滞在割引(ワーケーション需要)

ポイント3: 観光スポットへのアクセスをアピール

物件紹介では必ず以下を明記し、利便性をアピールしましょう。

  • 最寄りの観光地までの距離・時間
  • 駐車場の有無(車移動が主流のため重要)
  • 周辺の飲食店・コンビニ情報

ポイント4: 地元との連携

地元の産業と友好関係を築くことも強みとなってきます。地域に溶け込む姿勢が、リピーターと好レビューに繋がります

  • 地元飲食店のクーポン提供
  • 観光協会との連携
  • 地域イベント情報の提供
  • 地元ガイドの紹介

エリア別の民泊戦略

エリアごとの特色を生かした戦略例を示します。全体的に車利用が前提となっている地域のため、駐車場の有無が大きく左右すると考えられます。

水戸市

  • 想定客層:偕楽園・徳川ミュージアム・イベント来訪/ビジネスマン
  • 物件タイプ:駅徒歩圏の1LDK〜2LDK、駐車1〜2台
  • 施策:観光×ビジネスの二面訴求(平日=ビジネス、週末=観光)

ひたちなか市

  • 想定客層:海浜公園・夏フェス客・海水浴
  • 物件タイプ:家族・グループ向け一棟貸し
  • 施策:駐車3台以上/BBQ可(ルール徹底)で週末稼働を最大化

大洗町

  • 想定客層:水族館・磯遊び・サーファー・アニメファン
  • 物件タイプ:海近の戸建・テラス付
  • 施策:チェックアウト後のシャワー利用OKなど“海仕様”の差別化

笠間市

  • 想定客層:笠間焼体験・芸術の森
  • 物件タイプ:和モダン内装+陶器ディスプレイ
  • 施策:窯元マップ・体験同封でアート旅に寄り添う

つくば市

  • 想定客層:学会・研究機関・受験・家族滞在
  • 物件タイプ:Wi-Fi強/ワークデスク/長期割
  • 施策:連泊ディスカウント+月極相談窓口を明記

鹿嶋市

  • 想定客層:鹿島神宮・Jリーグ観戦
  • 物件タイプ:スタジアムアクセス重視
  • 施策:試合日価格のイベント・ダイナミックプライシング

大子町

  • 想定客層:袋田の滝・温泉・紅葉・渓流釣り
  • 物件タイプ:自然景観重視の一棟貸し
  • 施策:季節フォト周遊モデルコースでオフ期も訴求

開業パターン別の初期投資・収益シミュレーション

※あくまで試算です。物件・立地・運用状況により大きく変動します。

【パターン1:中古戸建て購入の場合】

初期投資

項目金額
物件取得費800万円
リフォーム費200万円
家具・家電50万円
民泊届出費用15万円(行政書士報酬含む)
その他(保険・初期費用)30万円
合計初期投資約1,095万円

収益シミュレーション(住宅宿泊事業の場合)

項目金額
営業可能日数(法定上限)180日
実稼働日数(稼働率83%)150日
宿泊単価15,000円
年間売上(150日×15,000円)225万円
経費(清掃・光熱費・管理費35%)-79万円
固定資産税・保険-15万円
年間利益約131万円
投資回収期間約8.4年

中古戸建て購入のメリット

  • 資産として残る
  • 民泊利用上限の180日以外は自己利用や別用途に活用可能
  • 自由にリフォーム・改装可能
  • 長期的な資産価値の上昇も期待

中古戸建て購入のデメリット

  • 初期投資が大きい
  • 180日制限があるため収益性は簡易宿所より低い
  • 売却時の流動性リスク

ポイント:空き家バンクを活用することで物件を格安購入することで投資収益率を高めることも可能ですが、立地や物件の状態についてはバラつきがあります。
※民泊は年180日上限。上記表の“供給日稼働率”はこの上限内での埋まり具合です。

【パターン2:賃貸物件の場合】

初期投資

項目金額
敷金・礼金・仲介手数料30万円(家賃6万円想定)
リフォーム費(原状回復可能な範囲)50万円
家具・家電50万円
民泊届出費用15万円(行政書士報酬含む)
その他(保険・初期費用)20万円
合計初期投資約165万円

収益シミュレーション(住宅宿泊事業の場合)

項目金額
営業可能日数(法定上限)180日
実稼働日数(稼働率83%)150日
宿泊単価15,000円
年間売上(150日×15,000円)225万円
家賃(6万円×12ヶ月)-72万円
経費(清掃・光熱費・管理費35%)-79万円
保険-5万円
年間利益約69万円
投資回収期間約2.4年

賃貸物件のメリット

  • 初期投資が圧倒的に少ない
  • リスクが低い(撤退しやすい)
  • 副業として始めやすい
  • 複数物件展開がしやすい

賃貸物件のデメリット

  • 家賃の固定費が重い(民泊は年間180日しか営業できないのに年間家賃は発生)
  • 大家さんの許可が必要(民泊不可の物件も多い)
  • 大規模リフォームができない
  • 資産として残らない

重要ポイント: 賃貸の場合、民泊営業しない185日間も家賃が発生します。この期間をマンスリー貸し自己利用などで活用できるかが収益性の鍵となります。

「簡易宿所」への切り替えも視点に

住宅宿泊事業で始めて、軌道に乗ったら簡易宿所に切り替えるという選択肢もあります。

切り替えのメリット

  • 営業日数の上限規制が無く、365日営業可能になり、収益性が大幅アップ
  • より本格的な宿泊ビジネスとして成長

切り替えのデメリット

  • 消防・建築基準がより厳しくなる
  • 許可取得の手間とコスト

当事務所では、簡易宿所転換も見据えた届出サポートを行っています。

よくある質問

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民泊新法と旅館業(簡易宿所)の違いは?

民泊新法は営業日数が年間180日上限です。簡易宿所は上限なしですが、構造・設備基準や消防対応がより厳しいです。副業的な週末特化なら民泊、通年稼働・高収益狙いなら簡易宿所の検討がおすすめです。

自分で運営するのは難しいでしょうか?

清掃・鍵の受け渡し・ゲスト対応など、運営代行業者に委託することも可能です。ただし手数料が発生するため、収益性とのバランスを考える必要があります。

どのくらいでオープンできますか?

物件選定→設計(消防協議)→工事→申請→サイト掲載で目安2〜3か月。中古戸建は工事内容で前後します。

茨城県で民泊は本当に稼げますか?

立地とターゲット設定次第です。ひたち海浜公園周辺やカシマスタジアム近辺など、観光拠点に近い物件は高稼働率を実現しやすいです。一方で、駅から遠く観光地へのアクセスが悪い場所は苦戦する可能性があります。

まとめ:今が始めるチャンス

茨城県の民泊市場は、競合が少なく、観光資源が豊富で、今後の成長が期待できる、まさに「始め時」です。ただし、適法に運営するためには正しい許可・届出手続きが必須。建築・消防・保健所との調整も必要です。

つむぎ行政書士事務所では、茨城県内の民泊開業を「事前診断→許可取得→開業サポート」まで一貫してサポートしています。
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ご相談は、どんな段階でも大丈夫です。
「手続きの流れを知りたい」「自分のケースで進められるか確認したい」「期限までに間に合うかだけ聞きたい」といった内容だけでもお気軽にお知らせください。

つむぎ行政書士事務所では、茨城県全域(水戸市・ひたちなか市・県央エリアを中心に、つくば・土浦など県南エリア、日立など県北エリアも含めて対応)で、建設業許可・産業廃棄物収集運搬業許可などの許認可申請、創業支援、補助金・経営相談をお手伝いしています。

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