茨城県の設備工事会社が建設業許可を取得すべき理由|電気工事・管工事の許可申請ガイド

設備工事会社の皆様、下記のような状況に当てはまっているでしょうか?

・「次の工事は許可をつけて入ってください」と言われている
・1本の契約で500万円を超える案件(フロア原状回復+電気+空調+給排水など)を任されそう
・EV充電設備や高効率空調の入替など、設備更新そのものが工事の中心になってきている
・工場や公共系の現場で「許可がない会社は敷地に入れません」と条件が出ている

茨城県では、こうした場面をきっかけに、電気工事・管工事・空調・給排水などの設備関連の会社さまが建設業許可の取得を急いで検討するケースが増えています。これまでと比べると、当事務所へのご相談は2〜3割ほど増加している印象です。

この記事では、設備工事会社さまがどこで・なぜ・どのタイミングで許可を求められるのかを、現場に近い言葉で整理いたします。

目次

この記事で分かること

  • 設備工事会社による許可取得相談が急に増えている理由
    (金額、リスク管理、発注側の期待)
  • 「500万円を超える工事」が実際どんな現場なのか
    (例:テナント1フロア改修で600万円台、配管+ポンプ+計装更新で1,200万円など)
  • エリアごとの傾向
    (県南・鹿行・県央・県北で、何が違うのか)
  • 会社規模ごとの“よくある悩み”
    (一人親方〜20名超まで、どの段階で何につまずくか)
  • 今のうちから用意しておくと後で慌てない3つの準備
    (工事記録、専任技術者、どの業種の許可を優先するか)

茨城県では許可取得の相談が明らかに増えています

茨城県内では、設備系の会社さまから「許可を取りたいのですが」というお問い合わせが目に見えて増えています。特に、電気工事業・管工事業・建築一式工事業(改修や更新をまとめて請けるときに話題になる区分)に関するご相談が中心です。

よくあるきっかけは次のとおりです。

1本の契約で500万円を超える規模を任される予定が出てきた

具体的には、テナント1フロアの原状回復と同時に、照明・配線・空調・給排水・衛生設備の入替までまとめて依頼されるケースがあります。見積りが600万円台というのは珍しくありません。
工場の老朽配管の交換、ポンプと制御盤の更新、計装の見直しなどを一体で請けたところ、総額1,200万円規模になったというお話もありました。
発注側はこの段階で「許可はありますか」と確認してきます。

「次の現場からは許可がない会社は入れません」と事前に言われた

工場エリア(鹿嶋・神栖など多い)では、設備更新の内容が安全や稼働率に直結します。そこで、許可のない事業者さまは構内に入れないという運用に切り替わることがあります。
実際に「今回は特例として入ってください。ただし次からは許可を提示してください」と伝えられ、急いで準備に入られた会社さまもいらっしゃいます。これはよく耳にする状況です。
次からは許可がない会社は構内に入れない。この一言で、経営判断が即テーマになります。

技能実習生や特定技能の受け入れに備えて、対外的な信用を整えたい

「人を増やす前に、会社としての形を整えておきたい」というニーズです。採用や取引先への安心感という面でも、許可を持っていることは説明材料になります。

公共・インフラ・防災系の案件に正式に入りたい

県や市、インフラ系の設備更新では、そもそも許可が前提になっている案件があります。その入口に立った瞬間に「許可が必要なんですね」と気づかれるケースも多いです。

大きな会社だけの話ではありません。むしろ、2〜3名で現場を回してきた職人チームや、地域の設備会社さまが、急にこの状況に直面することが増えています。

なぜ設備工事が、いま正式な許可を強く求められるのか

電気・配線、空調、給排水、配管、ポンプ、計装、監視設備といった設備工事は、今までも大切でした。ただ、ここ数年は立場が一段変わりつつあります。設備更新そのものが現場の主テーマになっている状況です。

背景には、次の4つがあります。

1. 工事金額の大型化と“一括発注”の流れ

近年は、テナントの入替や研究施設の実験室リニューアル、倉庫・物流拠点の用途変更などで、施工と設備更新をまとめて依頼されるケースが増えています。

発注側の狙いはシンプルです。

  • 窓口を一本化し、管理を簡素化したい
  • トラブル時の責任所在を明確にしたい

結果として、契約が1本にまとまり、金額もその1本で大きくなります。

このときに問われるのが、500万円を超えるかどうかです。
このラインを超えると、建設業許可が話題ではなく条件として扱われることが増えます。

実際のイメージとしては、次のような規模感があります。

  • テナント1フロアの原状回復+配線整理+照明入替+空調・給排水の更新で600万円台
  • 工場の老朽配管の更新、ポンプ・制御盤の交換、計装や警報系統の改善までまとめて1,200万円規模

こうなると、もはや「少額だから大丈夫」の領域ではありません。

2. 省エネ・EV・DX対応で、設備更新そのものが工事の目的になっている

設備業者様の間で最近は、こういった依頼が増えています。

  • EV充電設備の設置・更新
  • 高効率空調や業務用エアコンの入替
  • 工場ラインの制御・計装・センサー更新
  • 倉庫や店舗の照明・空調の自動制御化、省エネ化
  • 給排水・衛生設備の総入替

どれも、建物や工場が安全に・省エネで・止まらずに動き続けるための中枢部分です。
つまり、設備工事が「内装の一部」ではなく、工事全体の目的そのものになっています。

案件の主役になる以上、発注側もきちんとした会社に任せたいと考えます。そのタイミングで許可が問われます。県南(つくば・土浦)ではこのタイプの更新案件が日常的に動いており、許可の必要性が一気に表面化しやすい地域です。

3. 稼働停止リスクの高い現場では、入構条件として許可が求められることがある

鹿嶋・神栖(鹿行エリア)では、プラント・港湾・製造拠点の設備更新が日常的になっています。

典型的なのは、圧力配管の交換、計装・電気制御系の更新、防爆エリアでの機器入替。
少しのミスが事故や長時間停止を招く、緊張感の高い現場です。

そのため、事前にこう言われることがあります。
「次からは許可がない会社は構内に入れない」

これは「信用していないから」ではありません。発注側が自社のリスク管理と社内説明責任を果たすために、許可という分かりやすい基準を使っている、という背景があります。

実際に鹿行地域の設備更新案件では、「今回は暫定で入ってください。ただ次回からは許可を整えた状態でお願いします」と伝えられ、そこから許可取得に動いた例があります。

4. 防災・水害・インフラ維持の仕事に、設備工事が深く入り込んでいる

茨城県は利根川・那珂川の流域や沿岸部を抱えています。
水害対策や老朽対策として、ポンプ設備、排水ライン、監視・警報設備、非常電源といった更新工事が継続的に必要になっています。

一見すると「土木・防災の話」に見えますが、実際は配管・ポンプ・電気・監視系統といった設備更新そのものです。
設備工事会社が地域インフラを守る役割を担う場面が増えており、最初から許可を前提に話が進むこともあります。

特に水戸・ひたちなか(県央エリア)や鹿嶋・神栖(鹿行エリア)では、このタイプの相談が続いています。

エリアごとに違うニーズの出方

同じ茨城県でも、地域によって現場の性格は大きく異なります。エリア別に整理しましょう。

県南エリア(つくば市・土浦市など)

県南は、研究施設・物流倉庫・大型テナント・新興住宅地が集まり、建物の用途変更や設備更新が日常的に発生するエリアです。
原状回復と設備更新がセットになりやすく、ひとつの契約に電気・空調・給排水が丸ごと入ります。

結果として、次のような許可の同時取得・追加を検討されることが増えています。

  • 電気工事業
  • 管工事業
  • 建築一式工事業(既存スペースをまとめて改修・入替するイメージで語られることが多い許可)

EV充電設備や高効率空調の導入、給排水・衛生設備の見直しなど、「設備更新が主目的の案件」がストレートに動く場所です。

鹿行エリア(鹿嶋市・神栖市など)

鹿行エリアでは、プラント・港湾・大規模製造拠点の設備更新が日常です。
圧力配管の交換、計装・電気制御の見直し、防爆エリアの機器入替など、ミスが止まる=損失になる現場が多い領域になります。

このため、現場に入る前から「次回以降は許可が必要です」と告げられることがあります。これは今や例外ではありません。
設備会社が「作業する側」から「管理する側」にステップアップする場面も見られ、特定建設業の検討に進む企業さまもいらっしゃいます。

特定建設業とは、下請に一定以上の金額を発注し、工事全体を管理する立場の会社が取得する許可です。一般の建設業許可より要件が厳しく、元請ポジションで現場を束ねる会社が目指すラインになります。

県央エリア(水戸市・ひたちなか市など)

県央エリアでは、公共インフラ系と民間改修系が同時に動いているのが特徴です。

  • 公共インフラ系
    道路・橋梁・排水設備・公共施設などの維持や更新。ポンプ更新や監視設備の入替といった設備色の強い仕事も続きます。
  • 民間改修系
    テナントの入替、空き家の活用、既存店舗のリニューアル、空調や給排水の総入替など、暮らしや商売に直結する更新工事。

その結果、土木・舗装・とび土工がメインだった会社さまが設備系の許可を検討するケースと、逆に内装・リフォーム中心だった会社さまが電気工事業や管工事業の許可を考えるケースが、両方とも起きています。
公共案件と民間リニューアルが交差する地点という位置づけです。

県北エリア(日立市・常陸太田市・高萩市など)

県北エリアでは、新築は落ち着きつつありますが、道路・橋梁・法面・公共施設・避難施設・防災設備などの維持や補修が継続しています。地域インフラを守る現場が日常業務というエリアです。

特徴的なのは、従来は「土木」「舗装」「とび・土工」で回っていた現場に、設備更新が重なるケースが増えていることです。

例えば、公共施設で、老朽化した照明のLED化に合わせて受変電・分電・非常灯など電気設備全体の見直しが一体で進み、500万円以上の規模となったケースがありました。照明交換だけでは終わらない、設備全体の健全性を確認する動きです。

このように、県北では「インフラの延命」という名目の工事の中に、設備工事会社が深く入り込んでいく流れがはっきりしています。許可はその入口で求められやすくなっています。

会社の規模ごとに違う“よくある悩み”と、許可が必要になる瞬間

建設業許可が話題になるタイミングは、会社の規模や立ち位置によって変わります。ご自身の状況に近いところをご確認ください。

一人親方・2〜3名程度のチームの方へ

典型的な悩みは次のとおりです。

  • 「元請さんから『次の現場は許可をつけてください』と言われました。どうすれば良いでしょうか」
  • 「初めて500万円を超える工事を、まとめて任されそうです。どの業種の許可を取れば良いのでしょうか」

この段階では、工事実績の書類(契約書、注文書、請求書、振込記録、施工写真など)が揃っていないことのほうが普通です。焦らなくて大丈夫です。

多い質問は、次のようなものです。

  • 法人にしたほうが良いか
  • 営業所等技術者は誰が担えるのか
  • 過去の仕事を実績としてどこまで説明できるのか

営業所等技術者(旧:専任技術者)とは、会社に常勤し、工事内容の技術面を管理する中心となる人のことです。一定の資格や実務経験年数が必要になります。社長ご本人が該当する場合もあれば、長年現場を回してきた職長さんが該当する場合もあります。

最初から完璧に揃っていなくても、段階的に整えていくことは十分可能です。

従業員5〜15名くらいの会社さまへ

この規模帯になると、目的がはっきりしてきます。

  • 「公共工事・官公庁の設備更新に正式に入りたい」
  • 「電気工事業や管工事業など、業種を追加して幅を広げたい」
  • 「これまで下請中心だったが、一次請けとしてまとめる場面を増やしたい」

このステージでは、許可は単なる“申請の紙”ではなく、会社としての立ち位置や信頼性を対外的に示すツールになってきます。

「どの許可から押さえるか」「どの分野を売上の柱にしたいか」といった経営レベルの判断と、許可の取り方がつながり始めるタイミングです。

20名以上・地域で元請ポジションに近い会社さまへ

ここでは、さらに一段進んだ話が中心になります。

  • 「特定建設業まで視野に入れたい」
  • 「複数現場を同時に回す前提で、役員や専任技術者の配置を見直したい」
  • 「経営事項審査(いわゆる経審)や入札参加資格を見すえて、どの業種の許可をどう揃えるべきか悩んでいる」
  • 「事業承継のタイミングで、許可や技術者の経歴をどう引き継ぐべきか不安」

特定建設業は、下請に一定以上の金額を発注し、工事全体を統括する会社向けの許可です。一般許可よりも財務や管理体制の要件が厳しく、いわば「地域の元請として現場を束ねる会社ですよ」という証明になります。

鹿行地域に多い製造・プラント系の現場では、この段階に差し掛かる中小企業さまが実際に出てきています。「次は管理側で入ってください」と告げられる瞬間が、ひとつの分岐点になります。

今のうちから用意しておくと、後で楽になる3つのポイント

どの規模の会社さまでも、今日から始められる準備を3つだけ共有いたします。あとで効いてきます。

工事記録を残しておくこと

契約書・注文書・請求書・振込記録、作業前/途中/完了の写真などを、現場ごとに整理しておくことが大切です。許可の申請では「どんな仕事をいくらで誰から受けてどこまで行ったか」を説明する必要があるためです。後でまとめて集めるのはかなり大変です。

営業所等技術者になれそうな人をイメージしておくこと

会社の中で誰がその役割(技術面の責任者)を担えそうかを早めに考えておくと、準備が一気に進みます。社長ご本人が担う場合もあれば、長年の現場責任者が担う場合もあります。

どの業種の許可を優先するのか、方向性を決めておくこと

電気工事業なのか、管工事業なのか、建築一式工事業なのか。
ここが曖昧なまま「とりあえず全部お願いします」で動き始めると、時間も書類もムダが出やすくなります。特に、実務経験のみで複数業種の営業所等技術者要件を満たそうとすると、延べ数十年の経験が求められ、証明が大変になります。最初の1本を決めるだけで、準備は非常にスムーズになります。

まずは状況だけでもお聞かせください

次のいずれかに心当たりがあれば、早い段階で一度ご相談いただけますと、後の負担がかなり軽くなります。

  • 発注側から「次の現場は許可をつけてください」と具体的に言われている
  • テナント1区画や工場ライン更新など、1件の契約で500万円〜1,000万円規模の工事が控えている
  • EV充電設備の導入、高効率空調の入替、配管・ポンプ・計装系の更新など、設備の更新そのものが工事の主題になっている
  • 鹿嶋・神栖・つくば・土浦・水戸・ひたちなか・日立など、茨城県内の同じエリアで継続的に呼ばれる見込みがある

事前に教えていただけると助かるのは、次の3点です。

  • 現場のエリア(例:水戸市・ひたちなか市・つくば市・土浦市・鹿嶋市・神栖市・日立市 など)
  • 工事の内容(例:設備更新、配管入替、電気系統更新、空調・給排水リニューアル、テナント原状回復 など)
  • 見込金額(500万円を超えそうか、1,000万円を超えそうか など)

この3点が分かれば、どの業種の許可が必要になりそうか、どこから資料を揃えるべきか、現実的な順番をご提案できます。

建設業許可は、単なる書類ではありません。その仕事を正式に受けられるかどうかという、取引先との約束そのものになりつつあります。

「言われてから慌てて探す」のは本当に大変ですので、少しでも心当たりがあれば早めにお声がけください。準備の順番を一緒に整えていけますので、安心して大丈夫です。

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